【今週の労務書】『ちょっと待った!!社長!御社の人件費 もう見て見ぬふりはできません!!』
2012.05.28
【書評】
許可制で残業代抑制を
厳しい経済情勢が続くなか、企業利益を圧迫する人件費の取扱いに頭を悩ます中小企業経営者は多いだろう。本書では、人件費削減を利益回復の最善策として捉え、基本給や賞与、退職金の定め方、残業代削減、社会保険料の節約方法を紹介した。
筆者は、人件費を減らすうえで最優先なのは残業代の削減と指摘し、「残業の事前許可制」を導入するようアドバイス。社員自身が仕事の進め方を見直すほか、就業実態の把握や未払い残業代請求の防止にもつながり、「間違いなく効果が得られる」と強調する。
また、本書で紹介した社会保険料の節約の工夫は、昇給時期や賞与の支払い方法、採用日・退職日などの見直しを伴い手間がかかるが、いずれも地道な節約手段として活用できそうだ。
(和田栄 著、すばる舎 刊、TEL:03-3981-8651、1500円+税)
平成24年5月28日第2874号16面 掲載