【今週の労務書】『これだけはおさえておきたい 中小企業のための人事・労務管理の実務』
2012.09.17
【書評】
トラブル防止を主眼に
メンタルヘルス不調者の増加や職場のいじめの深刻化、不払い残業代問題など、企業の人事労務担当者が対策を講じるべき労働問題は少なくない。本書は、これらの問題などに端を発する労使トラブルを防止するため、労働環境整備に向けた実務のポイントを提示した。
具体的には、募集・採用や労働契約締結、労働時間管理、セクハラ・パワハラ対策、人事異動、退職・解雇、安全配慮義務などの項目ごとに、図表や書式・規定例などを示しながら留意点を紹介している。とくにトラブルに発展しやすい残業代については重点的に解説。企業が行ってしまいがちなケースに残業代の上限規制や計算基礎賃金の誤りなどを挙げ、適正に対応するよう注意を喚起している。
(社会保険労務士法人坂井事務所 著、日本実業出版社 刊、TEL:03-3814-5161、2500円+税)
平成24年9月17日第2889号16面 掲載