【今週の労務書】『図解 人材派遣会社向け「業務請負」の基本とカラクリ』
2012.11.12
【書評】
成功への実務を指南
人を連れていくだけの派遣から脱却する――。本書は、業務請負に乗り出そうとする人材派遣会社向けに書かれたマニュアルで、立上げから優良事業へ成長させるまでの実務全般を取り扱う。「偽装請負」回避のポイントを解説するにとどまらず、請負単価の設定方法や営業戦略・求人戦略などにも触れ、高い社会性、収益性を実現する経営のあり方を掘り下げている。
請負への移行に欠かせない現場リーダーの養成については、作業者から育て上げるのが一般的としつつ、中途採用の活用、発注者からの転籍などのタイプ別にメリット、デメリットを紹介。初めて請負体制を構築する際は、元派遣労働者に顧客との打合せなどを任せるのはリスクがあるとし、営業マンからの転身を勧めている。
(山内栄人 著、秀和システム 刊、TEL:03-3470-4947、1500円+税)
平成24年11月12日第2896号16面 掲載