【今週の労務書】『「A4一枚」賃金制度』 

2020.01.25 【書評】
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役割等級と範囲給を推奨

 中小企業を念頭に置いて書かれているのが本書。継続して運用可能なシンプルな賃金制度の導入に向けた勘所を示している。運用のカギを握る「評価者スキル向上策をどのように進めれば良いか」などがもう少し手厚く書かれていれば、より使い勝手は高かったかもしれないが、読みやすさは抜群だ。

 等級制度では、役割等級制度を推す。「人材育成につなげやすい」「現在頑張って貢献している社員を評価しやすい」「同一労働同一賃金に対応しやすい」などを理由に挙げた。「社内での職種分け」から着手して、合計5段階で作成が可能としている。

 賃金制度は、社員間の僅かな評価の差を反映でき、かつ業績によって変動できるといった根拠から範囲給を推奨。等級間は、前後の等級で上限額と下限額の差に開きがある開差型または接続型で運用すべきとした。

(榎本あつし著、アニモ出版刊、TEL:03-5206-8505、2000円+税)

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令和2年1月27日第3242号16面 掲載
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