解雇と特定受給資格者
これだけの知恵が働くなら
転職しても生きていけるわね。
いやいや、こういう思考の連中は、
地道に働くことを嫌うから、
詐欺集団になって、つかまるよ。
解 説
解雇とは、使用者の一方的な意思によって、労働契約の効力を将来に向かって終了せしめる行為等をいうとされています。口頭だからといって解雇の効力が認められない、とはいえません。ただ、解雇の理由があいまいだったり、30日前の解雇予告に関していつ予告をしたかはっきりしないことなどからやはり書面で通知すべきでしょう。
解雇により離職した者は、特定受給資格者になる可能性があります。ただし、「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」は除きます。
自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇には、①刑法各本条の規定に違反し、または職務に関連する法令に違反して処罰を受けたことによって解雇された場合、②故意または重過失により事業所の設備または器具を破壊したことによって解雇された場合、③故意または重過失によって事業所の信用を失墜せしめ、または損害を与えたことによって解雇された場合、④労働協約または労基法(船員法)に基づく就業規則に違反したことによって解雇された場合、⑤事業所の機密を漏らしたことによって解雇された場合、⑥事業所の名をかたり、利益を得または得ようとしたことによって解雇された場合、⑦他人の名を詐称し、または虚偽の陳述をして就職をしたために解雇された場合があります(雇用保険業務取扱要領)。
マンガで、特定受給資格者の方が得とあります。失業後受給できる基本手当の日数に影響があります。被保険者であった期間が10年以上20年未満とすると、自己都合の離職は年齢にかかわらず、120日となります。一方、特定受給資格者は、年齢区分があり、30歳以上35歳未満で210日、35歳以上45歳未満で240日となります。
※マンガは労働新聞平成24年6月18日第2877号12面「人事学望見 第868回 多発する雇用保険の不正受給 労使共謀して特定受給資格者に」をヒントに描いたものです。詳細は労働新聞読者専用サイトにてご覧ください。