【今週の労務書】『労働法実務 使用者側の実践知』

2020.03.07 【書評】
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紛争への対応法網羅

 本書では、使用者側の労働法実務として、個別的労使紛争と集団的労使紛争の大きく2つに分けて解説している。判例索引とともに幅広く労働法に関する項目をカバーしているため、トラブルが持ち上がった際に辞典のように利用できる一冊となっている。

 個別的労働紛争については契約や賃金、集団的労働紛争については団体交渉、不当労働行為などの細かな章立てを行っている。各章の冒頭では、問題が起こりやすい点を明示。最高裁やその他の裁判例を俯瞰的に解説したうえで、実務でとるべき具体的対応を考察している。使用者の主張を肯定した裁判例と否定した裁判例の双方を示すことで、多角的視点から考えることができる。

 章の終わりには「実践知」コーナーを設け、まとめとともに最も注意すべきポイントを指摘した。

(岡芹健夫著、有斐閣刊、TEL:03-3265-6811、3800円+税)

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令和2年3月9日第3248号16面 掲載
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