【見逃していませんか?この本】10時間超のインタビュー! 入門30周年を記念して/柳家喬太郎『柳家喬太郎バラエティブック』

2020.05.05 【書評】
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 「チケットの取れない」と評される落語家のうちの一人、柳家喬太郎の入門30周年を記念してまとめられたのが本書。10時間を超えるインタビュー、100問100答のQ&A、過去に『東京かわら版』に掲載したインタビューの再録――などがたっぷりと収められている。

 インタビューでは幼少期から現在に至るまでのあれこれをたっぷりと。高座に色濃く反映されているウルトラマンやつかこうへいにハマった理由なども明かす。

 春風亭昇太、林家彦いち、三遊亭白鳥と結成する新作落語の創作と公演を行う「SWA」に関する言及が多くあり、かつてSWAとして持ち回り連載をしていたコラムも収載されている。そのSWAは今年4月、約10年ぶりとなる復活公演をするはずだった。が、ご存知の通り新型コロナウイルスが蔓延…。公演は中止となり、小職の持つチケットも紙切れに。

 そればかりでなく各落語会は軒並み中止・延期。寄席は前代未聞の長期休演が続く。

 果たして高座を生で聴けるのはいつになるやら。今は本書をはじめとした落語関連書籍を読み漁ってその時を待ちたい。

 やなぎや きょうたろう、東京かわら版・1800円/1963年生まれ、日本大学商学部卒。書店勤務を経て89年に柳家さん喬に入門、前座名は「さん坊」。93年に「喬太郎」と改名して二ツ目に昇進し、2000年に真打昇進。書籍に『落語こてんパン』(ポプラ社)、『柳家喬太郎のヨーロッパ落語道中記』(フィルムアート社)など。ほかに舞台、映画などの出演も。

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