業種特化型で価値高める/社会保険労務士法人CSS 代表 内藤 秀和

2020.05.24 【社労士プラザ】
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社会保険労務士法人CSS 代表 内藤 秀和 氏

 皆さんは「選択と集中」という言葉をご存じだろうか。アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック社)の経営者で有名なジャック・ウェルチの言葉だ。今、まさにコロナ禍のなか、雇用維持は経営者にとって大きな課題であり、また大きな決断の時であるといえる。我われ、社会保険労務士の存在意義も経営者から試されているタイミングである。

 この緊急事態に、専門家としていかに有意義なアドバイスができるか。社会保険手続きの電子化が進むことで、担当者から「社労士って必要?」と問われる前に、経営者から「先生と顧問契約をしていて良かった」といわれることが、この先の社労士にとって非常に重要なことではないだろうか。

 経営者が求める情報は何だろうか。法律の改正ポイントだろうか。助成金の申請方法だろうか。

 もちろん、そういった情報も必要だが、経営者が欲しいと思う情報は、経営者自身は分かっていないのではないだろうか。分かっていないからこそ、知らなかったことや気付いていなかったことが、欲しい情報になる。社労士である皆さんもよくいわれないだろうか。「何かお得な情報ある?」といった言葉を。

 私は、開業前は経営コンサルティング会社に在籍しており、経営コンサルタントが経営者に何を提供しているのかを間近でみてきた。

 売れっ子のコンサルタントになればなるほど、当然に経営者からの信頼が厚く、経営者が求める「お得な情報」を常に提供できる人材だった。この「お得な情報」はインターネットには、掲載されていない。その業種・業界を知り、それに携わる経営者らとたくさんのコミュニケーションを取ることをベースにし、自分自身で仮説を立て、検証し、分かりやすく伝えることで、初めて「お得な情報」に昇華する。

 「労務」という横軸と「業種・業界」という縦軸を設計していくことは、社労士としての存在価値を高めることになり、この厳しい経営環境変化のなかで生き残れる術といえるのではないだろうか。

 その横と縦の軸をさらに強固なものにするためには、日々大量のインプット(知識の習得、コミュニケーションの増加)を行い、横軸は「労務」だけでなく、「人事」や「経営知識」、「財務」や「相続」といった分野に広げ、また縦軸も可能な限り増やしていくこと、業種特化戦略と日々の研鑽を実行することが大事である。それが、社労士である私の「選択と集中」であると考え、精進していきたいと思う。

社会保険労務士法人CSS 代表 内藤 秀和【大阪】

【公式webサイトはこちら】
https://www.css-c.co.jp/

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令和2年5月25日第3258号10面 掲載
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