対面が必要な業務とは/社会保険労務士 オフィスKATO 加藤 晴子

2020.05.31 【社労士プラザ】
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社会保険労務士 オフィスKATO 加藤 晴子

 2月の初め、出張で東京に出かけた。その時は、日本が今ほどの状況になることなど想像すらしていなかった。2月の終わり、私が住む北海道では全国に先駆けて緊急事態宣言が発令され、小学生の子供たちはいきなり休校が始まった。3月に入り、報道では連日、本州の大都市での感染が相次ぐ報道が続く。徐々に不安な情勢に変わっていった。休校のまま春休みに入り北海道の感染状況は落ち着きを取り戻したかのようだった。そして4月になり、新学期がようやく始まったが、安堵したのも束の間、2週間とたたずして再び全道で休校が決定された。

 仕事が続けられない人はどれほどいるだろう。テレワークと声高に叫ばれるが、遠隔ではままならない仕事はどれだけあるだろう。

 知り合いの飲食店から、悲痛な叫びが届く。3月初めから店を開けていないからと休業の相談を受ける。雇用調整助成金申請には至らず解雇という話もだんだんと聞こえ始める。こんな状況が続いており、そしてこれからもっとひどくなるのではないかと憂う。

 これまで、今ほど未来に強い不安を抱いたことはかつてあっただろうか。

 自分は就職氷河期と呼ばれる頃に社会人となった。求人倍率の低迷や非正規労働などのワードが常に飛び交っていた。リーマン・ショックや東日本大震災などが起きた平成を経て令和になり、誰もが新しい時代の幕開けに期待を膨らませていたと思う。私も昨年10月、10年弱勤めた社労士事務所を退職し独立させていただいた。

 事務所勤務の時から、子育てとの両立の関係もあって在宅勤務を経験していた。そのおかげもあり、チャットツールやクラウドソフトなどを使ってどこでも仕事ができる環境を整えつつある。また、できるだけお客様にもお勧めしてきた。地場では、eメールさえままならない場合もたくさんある。それでも、なんとかしてトライしていただけることもある。こうやって少しずつでも、世の中の潮流を感じ伝えていくのも、我われの担う仕事なのだと思って実行している。しかし、お客様と直に会って話をしながらいろいろな相談ごとを引き出す。これはやはり、対面でないと難しい気もしている。

 一方、そういったツールでお互いがラクにスムーズに、業務を進められていると実感することも多い。ポケベル世代からすると、今は本当に便利な世の中になったと感じる。何でも使ってみるものだ。本当に対面が求められる業務とは何なのだろう。これからはそれが問われていくような気がしている。

社会保険労務士 オフィスKATO 加藤 晴子【北海道】

【連絡先はこちら】
〒047-0024  北海道小樽市花園2丁目11番12号
TEL:0134-68-9143

令和2年6月1日第3259号10面 掲載
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