情報の3Sを推進/仲井京子社会保険労務士事務所 代表 仲井 京子
創設19年になる当事務所の特徴を1つ挙げるとすれば、「ペーパーレス事務所」であることだ。
開業当時、快適な職場環境では生産性が向上するということを聞き、自分なりに事務所をきれいにしてきたつもりが、人が増え、仕事が増えてくると、どんどん乱れてくる。紙は増える一方、パソコンの中はジャングル状態、情報の共有もうまくいかず逆にどんどん非効率な事務所になっていく。自分の力だけではどうすることもできず、2011年7月に3S(整理・整頓・清掃)のグループコンサルティングを受けた。
安全・快適・効率的な職場を作るという3Sの真の目的は「守るべきことを決め、決めたことを守る」こと。3Sの考え方を学びながら、紙書類を徹底的に減らしデータ化していった。パソコン内の情報への対応として、業務改善助成金を活用しシステムを導入。ファイル管理から検索管理へとし、人に聞かなくても分かる仕組みを作っていった。しかしデータ化してもプリンター枚数は減らない。原因は紙で出してチェックし、それをシュレッダーするという習慣が残っていたからだ。
その対策として2013年1月に全スタッフにiPadを購入。書類のチェックはすべてiPadで行うようにした。2画面管理である。iPadはメモも取れるし計算機もあり文具要らずだ。情報は外部からもアクセス可能にし、セキュリティー対策としてプライバシーマークを取得(社労士事務所では四国初)。この後来たマイナンバー制度もすぐ対応ができた。さらに16年7月に書類棚をなくすという目標を達成。15個あったカラーボックスとスチール棚2個をすべて撤去できた。データ共有のお陰で業務の標準化が進み、担当者以外でも情報検索で電話等の対応ができるようになってきた。
そして今の新型コロナではいち早く在宅勤務に切り替え。朝はウェブ朝礼で始まり、予定を日報で共有。自宅でも業務は順調に進むが、郵便物と給付申請などの印鑑がネックである。雇用調整助成金のウェブ申請が浸透すれば、もっと早く困っているお客様に成果を届けられるだろう。役所の中も書類が減るし一石三鳥だ。
3Sは製造現場が主流だったが、昨年、3Sの全国大会である「3Sサミット」で、なんと非製造業の当事務所が最優秀賞を受賞した。時代は変わったと実感した次第である。どの会社も営業、事務みんな困っていたようだ。働き方改革にも、非常事態にも、社員教育にも非製造現場だからこそ、伸びしろ満載の3Sをお勧めする。
仲井京子社会保険労務士事務所 代表 仲井 京子【香川】
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