【今週の労務書】『パワハラ防止ガイドブック 判断基準、人事管理、相談対応がわかる』
2020.06.27
【書評】
専門家三者が対策指南
本書では、弁護士、人事コンサルタント、カウンセラーの三者が、各々の専門領域について執筆している。対策に迫られる企業の視点から、短時間で実務の勘所を学べる。
たとえば、法令と判断基準の解説を担う第1章では、指導との線引きをどう考えるか?との疑問に対し、「客観的言動をしたか、していないかというシンプルな視点でみるのが適当」と説く。そのうえで嫌がらせの意図自体は否定したものの、「新入社員以下だ」等の発言から慰謝料150万円を認めた裁判例を紹介している。
そのほか、人事管理面のテーマとして「パワハラを起こしやすい人の特徴と対応策」に触れるほか、第3章では相談者・行為者双方へのヒアリングに関し、確認すべきポイントや詳しい手順を教えてくれる。
(橘大樹、吉田寿、野原蓉子著、経団連出版刊、TEL:03-6741-0043、1400円+税)
令和2年7月6日第3263号16面 掲載