【今週の労務書】『IPOの労務監査と企業実務』
2020.07.04
【書評】
労働関連法令審査が核に
会社がIPO(新規上場)をめざす場合、上場審査において内部管理体制の整備を求められる。本書では、社会保険労務士がIPO時の労務監査業務に携わる際に必要な事前準備や知識、重要となるポイントを解説している。
IPO審査は労働諸法令に違法性がないかという視点で実施されるとして、各法律について着目される箇所を明示。労務監査の主体となる労働基準法は詳細なチェックが行われ、なかでも未払い賃金問題は最重要視されることや、労働安全衛生法では労災保険の適正な手続きが行われているかが中心となることなどを挙げている。
上場企業の人事担当者へのインタビューも掲載している。労働時間の管理や査定方法など、インタビューから抽出した各社の人事労務管理上の特徴をまとめた。
(野中健次・土屋信彦・常盤誠著、中央経済社刊、TEL:03-3293-3381、3600円+税)
令和2年7月13日第3264号16面 掲載