【ひのみやぐら】リスクアセスメントの定着を

2017.01.11 【ひのみやぐら】
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 リスクアセスメントは平成18年に労働安全衛生法で、努力義務となった。事業場で広く取り組まれるようになったが、いまだに「理解ができない」と悩んでいる安全担当者が少なくない。

 もともとわが国では、ゼロ災運動やKYTなど日本生まれの災害防止対策が安全文化として馴染んでいた。こうした活動は、高度経済成長時代から現在に至るまで日本のどの事業場にも普及し、災害防止に大きく貢献したのは異論のないところだろう。

 一方、リスクアセスメントは欧州生まれ。災害件数の減少を目標とするわが国と、安全管理を徹底しても事故は起きるものとし、災害の重さを軽くすることに力点を置く欧米とは発想が微妙に異なる。危険源の特定方法やリスク評価の仕方などが具体的に分からないということもあるかもしれないが、根底には、安全に対する考え方の違いがあり、この点が理解をし辛くしているのではないかと思えてならない。

 確実にいえるのは、リスクアセスメント導入の流れを止めてはならないということだ。安全帯が胴ベルト型からハーネス型に移行するように国際標準化の動きは「待ったなし」。国際標準を持って発注要件となれば、日本は世界から取り残されかねない。生き残るためには、リスクアセスメントに積極的に取り組まなければならないのだ。

 そんな悩める安全担当者のために、好事例を紹介しよう。特集で取り上げている建設業の㈱橋本店の活動は大いに参考になる。同社は工事種別の「労安危険源洗出表」を活用し、個々の工事現場が現場に即したリスクアセスメントを行っている。リスクの高い作業は、危険源一覧にリストアップして朝礼台に掲示。危険源と具体的対策が、ひと目で分かるようになっている。

 同社では、リスクアセスメントがしっかりと定着しており、協力会社向けに研修会を行うなど、その熱心さには目を見張るものがある。明治11年創業という同社だが、長い歴史を築いてきたのは、新しいシステムに対応可能な柔軟さと常に努力を続ける姿勢ではないかと感じる。

平成29年1月15日第2274号 掲載
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