スレート踏み抜き労働者が重体 建設会社を送検 台風19号による屋根修繕工事で 千葉労基署
2020.08.07
【送検記事】
千葉労働基準監督署はスレート屋根を踏み抜き労働者が重傷を負った労働災害で、建設業者と同社の工事課長を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで千葉地検に書類送検した。
労働災害は令和2年3月16日に、千葉市花見区内の工場のスレート屋根の修繕工事現場で起きた。屋根は令和元年の台風19号により破損したものだった。屋根は雨漏りを防ぐためにブルーシートが張られており、工事課長がブルーシートを止めていた土嚢を持ち上げたところ、スレートを踏み抜き6.5メートル下の地上に墜落した。工事課長は3カ月ほど意識不明の重体となった。現在は意識は取り戻しているが、重篤な後遺障害が残っているという。
労働安全衛生法は踏み抜きの危険があるスレート屋根のうえで労働者に作業をさせる場合、事業者は幅30センチメートル以上の歩み板を設けるか、ネットを張るなどの危険防止措置を講じなければならないと定めている。工事課長は現場に歩み板を持ち込んでいたが、屋根の上に上げておらず、数も足りていなかった。安全帯は腰に着用していたが、親綱を張っておらず、使用できない状況だった。
同労基署は「昨年の台風で屋根の修繕工事は増えている。職人不足により現在も修理が済んでいない屋根はまだたくさんあるため、危険防止措置を適切に講じてほしい」と話している。
【令和2年6月30日送検】