【新型コロナウイルスの企業対応・労務管理】第4節 休業時の賃金支払義務【2020年上半期 よく読まれた記事】

2020.08.11 【よく読まれた記事】
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労働新聞社Webサイトに2020年に掲載した記事で、2020年上半期にアクセス数が多くよく読まれている人気の記事を再紹介していきます。

【新型コロナウイルスの企業対応・労務管理】第4節 休業時の賃金支払義務

2020年02月12日掲載 【新型コロナウイルスの企業対応・労務管理】

 以下の記事は、2009年10月に弊社より刊行された「新型インフルエンザ対応マニュアル」(絶版)をそのまま掲載しております。
 新型インフルエンザを対象とした内容となっており、古い部分もございますが、新型コロナウィルスが流行する中、企業の労務管理の対応方法としてご参照いただければと存じます。
 ・第1節 行政上の措置の種類
 ・第2節 企業の判断に基づく措置
 ・第3節 従業員への休業発令

 新型コロナウイルスに関する最新情報は、厚生労働省のWebサイトをご参照ください。
 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)〔厚労省Webサイト〕

1 使用者の責めに帰すとは?

(1)労基法上の休業手当

 賃金は、原則としてノーワークノーペイの原則に従い、労務の提供がなされないときは支払義務が生じません。

 しかし、労基法では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければならない」(第26条)と規定しています。

 「使用者の責に帰すべき事由」とは、第1に使用者の故意、過失または信義則上これと同視すべきものよりも広く、第2に不可抗力によるものは含まれないと解されています。

 事業主としては、新型インフルエンザは事業場外で生じるものですから、不可抗力の範囲に属すると考えたくなります。しかし、雨天等について「それが自然現象によるものであるという理由のみで一律に不可抗力による休業とみなすべきではなく、客観的に使用者として行うべき最善の努力を尽くしてもなお就業不能であったか等を勘案する必要がある」(昭和41年6月12日基発第630号)と解されています。

 安衛則の条文上は、「病毒伝ぱの恐れのある伝染病にかかった者について伝染予防の措置をした場合は、この限りでない(就労制限の対象でない)」(第61条)という文言も存在し、病気に罹患したという理由のみで一律に不可抗力とは主張できません。

 基本的には、行政側の要請に応じて自宅待機させる場合※には、事業者の責に帰すべき事由とはいえませんが、そこまで至らず、会社が自主的な判断で休業を選択した場合には、休業手当(平均賃金の60%以上)の支払が必要となります。信用上の風評保持や社会的責任、地域の感染防止への協力等の大義名分があっても、自主判断によるものは不可抗力に含まれないとする立場が有力です。

※いわゆる濃厚接触者について、外出自粛を要請するケース(第3節参照)等も含みます。…

→2020年2月12日掲載記事で続きを読む

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