【見逃していませんか?この本】横浜DeNAベイスターズはいかにして変わったか/池田純『空気のつくり方』
2017.01.07
【書評】
「TBSから親会社がDeNAに代わり、ベイスターズは変わったなぁ!」と、他球団ファンから見ても強く感じる。2016年シーズン、3位に滑り込んで、クライマックスシリーズに進出した実績もさることながら、球場が大きく変わったように思う。年に何度も、敵方ファンとして横浜スタジアムに足を運ぶが、その都度、応援の声量が増し、試合を彩る演出が華やかになっていった。
では具体的に、どういう手法でそのような変化を起こしていったのか。それを具体的に書いたのが本書だ。2011年から4年間で観客動員を65%アップし、赤字を80%減らし、ついに黒字化に成功したノウハウを、惜しげもなく披露する。
繰り返し出てくるのは、徹底的にデータを分析するシーンだ。「経営」の観点からスポーツをどう盛り上げていくのかという、これまで決して多く語られなかった視点からの話は面白く、また示唆に富む。そして、分析したデータを元にして、どうやって集客などにつなげていくかというプロセスは、サラリーマンが日常的に仕事をしていくシーンでも役立つはずだ。
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いけだ・じゅん、幻冬舎・1512円/1976年、神奈川県横浜市出身。住友商事、博報堂を経て2007年にDeNA入社。2011年12月から横浜DeNAベイスターズ初代社長に就任し、2016年10月に退任。