【今週の労務書】『同一労働同一賃金に対応!トラック運送業賃金制度設計の実務』
2020.09.05
【書評】
共通手当を増やして対応
本書では、典型的なジョブ型賃金であるトラックドライバーの賃金制度構築に特化して解説している。
賃金設計に当たってはまず、世間水準との比較や職種・車種による自社の賃金の偏りなどの実態確認が必要とした。
補助的賃金である手当類は、職種手当などの「職務型手当」と、家族手当などの「生活補助手当」がある。職種区分と賃金構成を検討したうえで、支給目的が職種によって異ならない基本給や生活補助手当といった共通要素を増やせば、異動や掛け持ちに対応しやすくなると解説している。
巻末には、本書の考え方に沿って組み上げた賃金制度に基づき、年齢や勤続年数、労働時間などを仮定したドライバー30人分の賃金のシミュレーション表を添付した。
(西川幸孝・佐藤誠共著、日本法令刊、TEL:03-6858-6966、2500円+税)
令和2年9月7日第3271号16面 掲載