営業職活用し情報収集/総務サポート社労士事務所 代表 田中 和博
今年の10月から新規に営業職を雇用した。弊事務所のような小さな事務所で営業職を雇用するのは稀であるらしく、様ざまな方から驚かれた。
仕事がなければ、資格があっても、勉強しても、経験を積もうとしても、そもそも成り立たない。そう思ったのは開業当初だった。とにかく経験を積ませてほしいと、営業して回ったのを覚えている。
40歳を過ぎて営業の経験がまったくなかった私が、見よう見まねでテレアポや飛込み営業ができたのは、営業に対する固定概念がなく、むしろ新鮮でおもしろいと感じていたからだと思う。今、同じことをやれといわれてもとても恥ずかしくてできない。そもそもその方法は効率が悪いとも思う。
平成22年4月に開業して丸10年が経ち、ようやくお客様のご紹介や事務所名でお仕事をいただくケースが増えてきた。そんななかで、なぜ営業職を雇用したのかと聞かれることがある。理由は、より多くのお客様とかかわり、経験値を積んで、組織で仕事ができる体制を早期に実現するためである。短期間で規模拡大をするためには、営業職は欠かせないと考えたからである。
また一方で、営業職を雇用することでこんな効果もある。それは、営業先の企業様の情報が得られることである。既存のお客様の情報ばかりだと、弊事務所の助言や支援が世間の感覚と乖離していないか、偏りがないかなどの確認をすることができない。
まだ雇用して1カ月ほどだが、コロナ禍での対策や同一労働同一賃金に対する考え方、ハラスメントに対する姿勢など、お客様以外の企業様の情報が少しずつ得られようになってきている。残念ながらその情報の中には、「通り一辺倒な回答で参考にならない」とか「レスポンスが悪い」など、社労士に対する不満もあるようである。弊事務所でも同じような対応をしていないか、今一度振り返って、気を引き締める機会も与えてもらっている。
営業のスタイルもだいぶ変わってきている。ウェブ会議ツールのZoomやTeamsで商談するのは普通になり、YouTubeやインスタグラムで集客する営業もある。
コロナ禍が原因だと思うが、訪問営業はお断りする企業様もあると聞いている。AI時代には営業職はなくなるのではないかと言う人もいる。
しかしながら、今後も価格やサービスだけでなく、人と人とのつながりで仕事を受注するような営業は続いていくであろうし、続くような世の中であってほしいと私は考えている。
総務サポート社労士事務所 代表 田中 和博【山梨】
【webサイトはこちら】
https://www.soumu-support.jp/