【今週の労務書】『決定版 モデル条文でつくる就業規則作成マニュアル』
2020.11.28
【書評】
計200条でプラチナめざす
200条からなるモデル規則を逐条解説していく本書は、弁護士5人と社会保険労務士7人による自主研究会のメンバーが、6年にわたって討議を重ね、共同執筆している。120条に及ぶ本則に加えて、賃金、退職金、育児・介護休業等、テレワークの4規程を約600ページに収めた。白か黒かではなく労使にメリットがある“プラチナ”をめざしたとして、規則前文ではディーセント・ワークの尊重を謳っている。
理想を追究した条文をそのまま活用すると、ある種の選択を伴う点には留意したい。たとえば同一労働同一賃金への対応に向け、賃金規程では全手当をフル・パート双方に支給し、金額は原則、所定ないし実労働時間の差に連動させている。賞与も全社員が対象で、支給日在籍要件も採っていない。
(野口啓暁編著、西谷敏監修、旬報社刊、TEL:03-5579-8973、6000円+税)
令和2年12月7日第3283号16面 掲載