書評

2025.02.20 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第100回 『蔦屋』 谷津 矢車 著/大矢 博子 NEW

文化衰退にどう抗ったか  出版界の片隅に身を置くものとして、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』を毎週興味深く観ている。江戸中期から後期にかけて活躍した版元で、本の企画・出版から販売まで取り仕切った蔦屋重三郎の物語だ。  ここまでの放送でも、「吉原細見」(吉原遊郭の案内)を売るために有名人の平賀源内に序文を貰ったり、遊女からの入銀(ク……[続きを読む]

2025.02.15 【書評】
【今週の労務書】『問いから考える人材マネジメントQ&A』 NEW

実践に役立つ「なぜ」も  本書は、採用・配置転換・賃金・評価など、人材マネジメントに関する計55の問いを立て、それに答える形で解説した。前半の基本編では、「なぜコース別雇用管理制度が普及したのか?」などの問いを通じて、現行制度の成立ちを把握できる。  後半は「ポストオフ後にも中高年に活躍してもらうにはどうすれば良いのか?」などのより実践的……[続きを読む]

2025.02.13 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第99回 『王将の前で待つてて』 川上 弘美 著/荻原 裕幸

求人欄風の一句も  川上弘美さんの2冊目となる句集『王将の前で待つてて』が集英社から刊行された。川上さんは作家だけれど、小説とほぼ同じ長さの句歴をもつ俳人でもある。2010年に刊行された第1句集『機嫌のいい犬』も昨秋に文庫化された。このたびは、第1句集以後の活動から200句を超える作品を選んで構成している。加えて、30年間の自作30句にエ……[続きを読む]

2025.02.08 【書評】
【今週の労務書】『訴訟リスクを回避する “3大労使トラブル”円満解決の実践的手法』

過大請求には全面反論  ハラスメント、復職トラブル、未払い残業代請求の3つのトラブルについて、1章ずつ取り上げている。使用者側弁護士の執筆陣が、訴訟に発展させず、合意による解決をめざすための「話合いの進め方」を解説する。各章でトラブル例を設定しており、イメージを掴みやすい。  たとえば残業代請求の章では、「管理監督者として扱っていた役職者……[続きを読む]

2025.02.06 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第98回 『愛するということ』 エーリッヒ・フロム 著、鈴木 晶 訳/森岡 正博

現代の病理を映す名著  人を愛するとはどういうことだろう。紀元前の昔から、人々はこの問いを考え続けてきた。愛についての古典的名著はたくさんあるが、その中でも、社会心理学者のエーリッヒ・フロムが20世紀半ばに刊行したこの本は、現在も世界中で広く読まれ続けている。なぜならば、人生でいろんな体験をした大人の読者たちの知性に深く訴えかける内容とな……[続きを読む]

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