書評

2024.11.21 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第90回 『五葉のまつり』 今村 翔吾 著/大矢 博子 NEW

秀吉に仕えた裏方の苦労  戦国小説の華といえば合戦、というイメージがある。織田信長なら本能寺、徳川家康なら関ヶ原がクライマックスに用意されるのは当たり前、槍働きだの戦術だのに読者はいつも胸躍らせる。  だがちょっと待って。その戦、槍を片手に颯爽と馬で駆けるかっこいい武士だけで成り立っているわけではない。  戦をやるには準備や後方支援がいる……[続きを読む]

2024.11.16 【書評】
【今週の労務書】『労働基準法がよくわかる本 ’24~’25年版』 NEW

変形制は3段階で導入  労働基準法だけでなく、労働契約法やパートタイム・有期雇用労働法など、労働に関する法律を広く盛り込んだ。特定社会保険労務士の筆者が、法律や裁判例を交えながら実務における注意点を解説する。  たとえば1年単位の変形労働時間制では、決算期の3月末と9月末に業務が集中する会社を事例に、実際にどのように労働日を特定していくか……[続きを読む]

2024.11.14 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第89回 『ウナギが故郷に帰るとき』 パトリック・スヴェンソン 著/大島 健夫

自然、個人の歴史に迫る  日本最古の和歌集『万葉集』に、かの大伴家持が詠んだウナギの歌が収録されている。  石麻呂に 吾れ物申す 夏痩せに よしといふ物ぞ 鰻取り食せ  石麻呂(いわまろ)さん、夏痩せに良いというからウナギを食べなさいよ、という、ストレートきわまりない歌である。石麻呂という人は家持の友達で、スマートな体型をしていたらしい。……[続きを読む]

2024.11.09 【書評】
【今週の労務書】『詳解 裁量労働制』

適用者でも時間管理を  本書は、今年4月の制度改正も含め、裁量労働制の制度趣旨、改正経緯、導入例、裁判例、学説、行政解釈などを網羅的に盛り込んで解説した。厚生労働省で法令・政策の企画立案担当として裁量労働制の改正に携わった経験を持つ弁護士や、元労働基準監督官の弁護士で構成されるTMI総合法律事務所の労働法プラクティスグループがまとめている……[続きを読む]

2024.11.07 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第88回 『専制国家史論』 足立 啓二 著/濱口 桂一郎

今こそ読み返すべき一冊  習近平政権の専制的傾向がますます強まり、中国の民主化の希望が遠のくにつれ、この専制的性質が中国という国家にとって本質的なものなのではないかという問題意識が世界的に高まってきている。中国史の専門家がこの課題に挑戦し、壮大な世界史像を練り上げたのが本書だ。ただし原著は鄧小平の死後間もない1998年刊行であり、その頃は……[続きを読む]

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