『書方箋 この本、効キマス』の労働関連コラム

2024.09.05 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第80回 『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』 今村 翔吾 著/林家 けい木 NEW

配役の妄想進む人物描写  文字を読むのは好きだが、いわゆる「本好き」に比べれば足元にも及ばない。  コロナ禍は我われ落語家にも影響を与えた。寄席は閉鎖、落語会は中止、対面稽古さえ憚られる。その結果、私は座布団に座ることを諦め、サドルに跨って都内のあらゆる処へ食べ物を運んだ。一軒家、マンション、アパート、時にラブホテルや大使館。そんなある日……[続きを読む]

2024.08.29 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第79回 『家から5分の旅館に泊まる』 スズキ ナオ 著/せきしろ

羨望を覚える魅力的な旅  私がまだ幼かった頃、夏休みや冬休みになると祖父母が住む町まで親と車で行くのが常だった。途中旅館が1軒あり、私はそこを通るたびに「自分はいつかあの旅館に泊まる時が来るのだろうか?」と考えていた。考えても考えても泊まる自分がイメージできなかった。なぜなら泊まる必要がないからだ。しかし年齢を重ねていき、ふと「泊まろうか……[続きを読む]

2024.08.22 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第78回 『モノ』 小野寺 史宜 著/大矢 博子

当たり前守る鉄道員たち  羽田空港と浜松町駅を結ぶ東京モノレール。東京オリンピックに合わせて1964年に開業し、今年で60年になる。  その節目の年に出たのが、東京モノレールで働く人々を描いた小野寺史宜『モノ』だ。  第1話は総務部員の女性が主人公。モノレールを絡めたテレビドラマが制作されることになり、駅で撮影や駅員の映り込みについてなど……[続きを読む]

2024.08.13 【書評】
【書方箋 この本、効キマス スペシャルゲスト選集(2024年上半期②)】『停車場有情』『朝、空が見えます』『リンカンと奴隷解放』ほか

労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋――この本、効キマス』から、2024年4~6月に公開したスペシャルゲストのみなさまにご執筆いただいたコラムをまとめてご紹介します。 『停車場有情』 水上 勉 著/蜂谷 あす美(旅の文筆家) 3月16日、北陸新幹線の金沢~敦賀が開業し、私の故郷である福井が東京と一本で結ばれるようになった。合わせて同区間の……[続きを読む]

2024.08.12 【書評】
【書方箋 この本、効キマス スペシャルゲスト選集(2024年上半期①)】『いい絵だな』『絵すごろく―生いたちと魅力』『持続可能なキャリア 不確実性の時代を生き抜くヒント』ほか

労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋――この本、効キマス』から、2024年1~3月に公開したスペシャルゲストのみなさまにご執筆いただいたコラムをまとめてご紹介します。 『いい絵だな』 伊野 孝行、南 伸坊 著/とに~(アートテラー) かつて3年ほど、老舗芸術誌『芸術新潮』で「TONY&INOCCHI マンガ展評ちくちく美術部」という連載を……[続きを読む]

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。