『技能継承』の労働関連コラム

2023.06.22 【主張】
【主張】後がない指導者不足問題

 令和4年度のものづくり白書は、能力開発や人材育成に問題がある事業所の増加傾向を指摘した(関連記事=指導担う人材が不足 製造業の能力開発で ものづくり白書)。製造業に限ればその割合は85%近くを占め、2001年度以降で最も高い数字となっている。具体的な問題点を尋ねた設問では、6割超が「指導する人材の不足」を訴え、4割台半ばが「育成しても辞……[続きを読む]

2023.03.28 【ひのみやぐら】
【ひのみやぐら】技能伝承のラストチャンス

 技能伝承に頭を抱える経営者が少なくない。世代交代が進んで、職場に若い人が増える一方、現場で多くの経験を積んだベテランの数が少なくなってきている。作業現場には、その会社でしか使用されないような道具や作業工程があり、外部講師を招へいしても難しい場合がある。また、職場には独特の雰囲気があり、人間関係も存在する。指導する人は誰でもよいというわけ……[続きを読む]

2022.11.04 【書評】
【本棚を探索】第40回『制度はいかに進化するか 技能形成の比較政治経済学』キャスリーン・セーレン 著/濱口 桂一郎

四社四様の資本主義  著者はいわゆる「資本主義の多様性」学派に属する政治学者だが、本書は技能形成という切り口から英米独日という4カ国の資本主義の違いを浮彫りにするもので、労働研究者にとっても大変興味深い内容だ。  産業革命の先頭走者であるイギリスでは、中世のギルドが崩壊した後を埋めたのは熟練職人たちの職種別組合で、徒弟制に基づく供給規制で……[続きを読む]

2021.09.10 【ひのみやぐら】
【ひのみやぐら】技能継承問題の切り札はAI

 現場における技能継承問題は、団塊世代の大量退職時代に浮き彫りになった。決定的な解決を見ないまま時間が経ち、いつの間にか「古くて新しい問題」になっているような気がしてならない。  いかに効率よく若手を育てるかは、頭の痛い問題だ。かつては、熟練技能者はたくさんいて、そのなかから「教え上手」や「世話やき」な人を選んでOJTでじっくり育成するこ……[続きを読む]

2020.03.27 【ひのみやぐら】
【ひのみやぐら】高齢者対策はハード面から

 どの産業でも若い年代の労働力確保は喫緊の課題だが、建設業では技能継承の面から特に深刻だ。少子高齢化は、ますます拍車がかかることが予想されており、高齢者は貴重な戦力として、長く安心して働くことのできる職場環境づくりが重要といえる。  以前にも、この稿で指摘したが、高齢者の安全衛生確保はまずはハード面から始めるべきである(2015年11月1……[続きを読む]

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