職種限定の契約に!?
2021.06.10
【労働契約法】
- Q
特定の職種を募集する際、関連する資格の有資格者歓迎とすることがあります。実際に有資格者が応募してきたときには、結果としてその職種で採用したことになり配転が認められないのでしょうか。
- A
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直近の裁判として次のようなものがありました。会社が、運行管理者の求人を出したところ、応募してきたのが他社で運行管理業務にも従事していた経験を持つ有資格者でした。運行管理業務に従事していましたが、その後、倉庫業務に配転したところ、配転命令が有効かどうか争ったものです。
裁判では、求人票や契約書などから「運行管理業務以外の職種には一切就かせないという趣旨の職種限定の合意が明示または黙示に成立したことは認められない」とする一方で、運行管理業務に就くことの期待は一定程度あり配慮すべきとして、配転を無効としました。一審(名古屋地判令元・11・12)そして二審(名古屋高判令3・1・20)と判決が維持された形です。誰を配転するか判断するうえで、余人をもって代え難いことまでは求められていないと会社は主張しましたが斥けられました。
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