予防接種で労災に!?
2021.06.24
【労災保険法】
- Q
新型コロナウイルスのワクチンですが、職域接種が始まりましたが副反応などが心配です。接種する、しないは自由ということで、業務上災害にはならなそうですが、どのように考えればいいのでしょうか。
- A
-
厚生労働省が6月21日時点で示している解釈は、(原則としてワクチン接種は)「通常、労働者の自由意思に基づくものであることから、業務として行われるものとは認められず、これを受けることによって健康被害が生じたとしても、労災保険給付の対象とはなりません」というものです。ただし、医療従事者についてはこの限りではないとしています。
職域接種が始まりました。それに伴い上記解釈の追加変更の可能性があるため、最新の情報は適宜確認する必要があります。
当欄では、予防接種と労災の関係について、ひとつの裁判例をご紹介したいと思います。インフルエンザの予防接種による健康被害が業務上災害に該当するか争ったものです(仙台地判平27・11・19、裁判所ウェブサイト)。予防接種は「強制的要素を伴って実施されたものとは認められない」として、不支給処分の取消請求を棄却しています。
※労災認定については各ケース個別判断となりますので、その点ご留意ください。
関連キーワード:
ショート実務相談Q&A 掲載