懇親会行事のケガは労災か

2021.12.23 【労働保険徴収法】
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Q

 会社の懇親会行事における負傷等が業務上災害と認められるためには、いくつか条件があると思いますが、賃金が支払われているとしたらどうでしょうか。

A

 業務上災害というためには、事業主の支配下にあり、かつ管理下にあって業務に従事しているといえる必要があります。

 過去の事案の中には、町民親善ソフトボール大会に出場中に被った負傷(昭55・11・21裁決)に関して、「参加者に対する一律的な1000円の支給も賃金とみることは困難であり」「福利厚生の一環とみるべきものである」として、参加の勧奨が業務命令であったとは認められないとしたものがあります。

 比較的直近の裁判例(山形地判令3・7・13)は、会社の決起大会で腕相撲をして負傷(骨折)したため労災保険給付を請求したのですが不支給とされたため、その処分の取消しを求めた事案です。

 労働者は決起大会の費用は会社持ちで、かつ賃金も支払われていると主張しました。裁判所は、例年、決起大会に賃金は支払われておらず、今回事後的に支払ったものであるとして、「労災認定を容易にするための便法」としました。さらに会社側は、腕相撲大会は、「腕力、俊敏さ、性格」をみる人事評価の目的で行ったと主張しましたが、裁判所は「後付けの説明」と切り捨てました。

※本件は、その後、仙台高判令3・12・2により、腕相撲に参加したことは、業務命令に近い義務的な性質の指示だったとして、不支給処分を取り消しました。

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