時季変更権行使を検討か 時効消滅前まとめて請求
2022.06.28
【労働基準法】
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年次有給休暇をあまり消化しない従業員がいます。法律で定める5日は取得するのですが、後は時効で消滅してしまう形です。ところが、ある日突然、時効で消滅してしまうのはもったいないと、まとめて残日数を請求してきました。こうした請求に対しては、時季変更の余地がありそうですが、時効との関係はどのように考えればいいのでしょうか。【千葉・M社】
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一括拒否は避ける形に 計画付与など活用
時効(労基法115条)に関して、労基法の規定による賃金の請求権はこれを行使できるときから5年間行わない場合には消滅するなどとしています。ただし、当分の間は、5年間を3年間と読み替えます(法附則143条、退職手当は除きます)。
年次有給休暇の権利など賃金請求権以外の請求権は、2年間で消滅となっています。例えば、4月1日入社の従業員は、9月30日までの6カ月間で全労働日の8割以上出勤すれば、10月1日に「10日」の法定の年休が発生します。この権利は付与から2年後をもって消滅することになります。
年次有給休暇の請求に対して、会社が適法に拒否しようとすれば時季変更権を行使するほかありません(労基法39条5項)。時季変更権の行使が可能となるのは、…
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2022年7月1日第2405号 掲載