体力を条件に募集採用は テスト実施可能か
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荷物を運搬する業務で募集採用をするときですが、体力テストを課すことは一切できないのでしょうか。すべて人力で運ぶわけではないですが、それでも最低限の力は必要と考えています。性別を理由とした差別的な取扱いなどといわれないようにするためにはどういったことに留意する必要があるのでしょうか。【静岡・M社】
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「間接差別」留意が必要 具体的な業務内容を明示
「性別以外」の事由を要件とする措置も、均等法が禁止する間接差別に当たり得るとしている点に注意が必要です(7条)。募集採用に関して、身長、体重または体力を要件とすることは「間接差別のおそれ」がある事項となっています(則2条)。ただし、業務の遂行上とくに必要である場合等にはこの限りではないとしていて、要件を課すことが一切できないわけではありません。
間接差別のおそれがある場合について、省令では次の3パターンに限定して、合理的な理由のない限り禁止しています。
①募集採用に当たって、身長、体重または体力を要件とすること
②募集採用、昇進、職種の変更に当たって、転居転勤に応じることができることを要件とすること
③昇進に当たって、転勤経験があることを要件とすること上記3つ以外は、裁判において、間接差別として違法と判断される可能性もあります(厚生労働省「男女雇用機会均等法のあらまし」)。体力要件に関しては、すでに運搬等をするための設備や機械等が導入されていて、日常業務を行ううえで「筋力が必要ない」のに、一定以上の筋力があることを要件とする場合が、違法事例に挙げられています(厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」)。
職安法では業務内容について明示義務を定めています(法5条の3、則4条の2)。業務に筋力が何らか求められるとして、入社後のミスマッチを防止する観点からは、業務の内容等についてあらかじめ具体的にしておくべきでしょう。