社長の息子に減給制限なし? 後継者候補がパワハラ 役員相当の罰金科したい

2019.02.08
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Q

 将来的な後継者候補として入社し部長職についた社長の息子さんが、早く成果を出したいという焦りからか、パワハラ事件を起こしてしまいました。会議の結果、減給処分が妥当という結論に達しましたが、その金額が問題となっています。激怒した現社長は「親族なんだから、労基法の制限は受けないはず。役員相当の減給を科すべき」と主張します。そういう解釈が成り立つのでしょうか。【青森・N社】

A

同居でも「労働者性」注意

 まず、減給に関する制限から確認しましょう。減給は、「1回の額が平均賃金の1日の半分を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と定められています(労基法91条)。

 労基法の対象である労働者であれば、この範囲内でのみ減給が可能となります。金額に不満な社長さんは、そこで「息子は親族だから」という論拠を持ち出して、社内的に「示しをつけたい」とお考えのようです。

 確かに、労基法では「同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人には適用しない」と規定しています(労基法116条2項)。しかし、だからといって社長さんの主張が正しいとも限りません。…

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平成31年2月11日第3196号16面 掲載
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