通勤経路 安い方と早い方のどちら?

2019.06.13 【労働基準法】
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Q

 通勤定期券を購入する際、会社まで「安くて早く着く」経路があればいいのですが、時間的には早いけど値段が高いなど経路の選択で迷ったことはないでしょうか。さて、「経済的な経路 (安い) 」に基づき支給された定期券の代金を不服として、「合理的な経路 (早い) 」に基づく差額を求めた判例がありましたが、その結末は…。

A

 東京都内の地下鉄の路線図をみると複雑に入り組んでいて、JRや私鉄なども含めれば自宅から会社までルートがいくつもある人もいるでしょう。裁判は、東京都内にある会社の事案でした(東京高判平30・10・24)。

 当該会社の通勤手当の支給規程では、過去、「最も経済的な経路」を適用していましたが、最短経路ではないため、「合理的」であることを経路選択時の条件とする改定が行われました。

 裁判所は、運用の実態をも踏まえて判断せざるを得ないとしました。合理的な経路に基づき高い定期代が支給されていた社員が一定数いるものの多数とはいえず、問題となった2つの通勤経路の時間差は約10分にすぎない一方で、3カ月定期券の支給額の差は1万円以上に上るなどとして、結果的に請求を斥けました。また、差額を請求した期間は7年弱に及びますが、そのほとんどが規程改定前の経済的なルートで支給していた期間でした。

 ちなみに、本件とは関係ありませんが通勤災害の要件はといいますと、合理的な経路及び方法(労災法7条)ですが、通常利用することが考えられる経路が2、3あるような場合には、その経路はいずれも合理的な経路となると解されています(平18・3・31基発0331042号など)。

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