育児介護と転勤への配慮
2019.07.04
- Q
育児休業後や介護する家族がいる従業員の転勤命令をめぐり、どこまで「配慮」が必要なのか、ということが社内で話題になっています。転勤自体できないのでは、という意見もありますが…。
- A
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育介法26条の解釈(平28・8・2雇児発0802第1号)として、「配慮」とは、配置の変更をしないといった配置そのものについての結果や、労働者の育児や介護の負担を軽減するための積極的な措置を講ずることを事業主に求めるものではない、としています。
配慮の方法は例示されていますが、会社としては、「子の養育又は家族の介護の状況を把握すること、労働者本人の意向をしんしゃくすること、配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをした場合の子の養育又は家族の介護の代替手段の有無の確認を行うこと」(平21・厚労省告示509号)などの検討は必要でしょう。
比較的最近の裁判例をみてみますと、介護に関して例えば、「両親は高齢ではあるとはいえ、…同居しなければ生活ができなくなるという状況にあるとはいえず…近くに…弟が住んでいることや本件配転先…との距離(移動時間)等」をも併せ鑑みて、「通常甘受できない程度に著しく不利益を生じさせるものであるとまでは認められない」としたもの(大阪地判平28・10・6)がありました。
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