同日得喪したくない 傷病手当金減る心配
2012.06.25
- Q
定年後に嘱託再雇用する従業員は、被保険者資格を同日得喪させる扱いにしています。私傷病休職で傷病手当金を受給している者は対象から除外できるのでしょうか。【長野・K社】
- A
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希望者以外届出は任意
定年退職後に嘱託再雇用された者を対象に被保険者資格の得喪が認められています(平22・6・10保保発第0610第1号)。対象となるのは、「特別支給の老齢厚生年金の受給権者」です(本紙第2875号16面)。
傷病手当金は、標準報酬月額を30で除した日額を基に計算します。傷病手当金を受給中に標準報酬月額を改定すると、それに連動して傷病手当金の額も変動することになるため、被保険者にとって必ずしも利益とはなりません。同日得喪の取扱いを希望しない場合には、喪失届、取得届を提出する必要はないと解されています。
再雇用により、固定的賃金は低下しても、変動月以後の3カ月間を病気休職すれば、賃金支払基礎日数が1日もないため、随時改定の要件を満たしません。そのまま、従前の金額の傷病手当金を受給できます。
復職したときには、定年に伴う再雇用ではないため資格得喪の手続きを採ることはできません。従前の標準報酬月額に基づき、保険料を支払う必要があります。
※内容は掲載当時のものです。法改正等により内容に変更が生じている場合がございます。
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平成24年6月25日第2878号16面 掲載