給与の事務をすべて委託?
2012.07.09
- Q
人材アウトソーシングを名乗る会社から、業務サービスの利用を勧誘されました。当社が人材を雇用する形になりますが、給与計算・支払事務を、外部委託する形となります。当社が直接本人に賃金を支払わなくても、賃金の直接払いの原則に抵触しないのでしょうか。【大阪・S社】
- A
-
計算と支払い別管理すべき
賃金は、通貨で直接労働者にその全額を支払わなければいけません(労基法第24条)。貴社が事務受託会社に「賃金と事務委託料」を合わせて支払い、受託会社が労働者本人に賃金を支払わない場合、労働者が直接会社に賃金の支払いを求めれば会社として応じないわけにはいきません。
賃金計算のみを委託するケースですが、解釈例規では、一定要件を満たす場合には「直接払いの原則」に反しないと述べています(平18・4・1基監発第0401001号)。具体的には、「金融機関への給与データ送付の事務は委託を受けた者が行うが、計算結果の確認・送金の承認は使用者から行われ、使用者の管理する使用者自らの口座から振り込まれる」ことが要件となります。事務委託料とは別管理を徹底すべきです。
※内容は掲載当時のものです。法改正等により内容に変更が生じている場合がございます。
平成24年7月9日第2880号16面 掲載