扶養範囲なぜ違うか 被保険者側が対象者多い
2012.08.13
- Q
健保の被扶養者について、被保険者側は配偶者側よりも対象範囲が広いですが、なぜでしょうか。生活保護の不正受給問題で、民法に扶養義務者が定められていると知りましたが関係はありますか。【京都・A社】
- A
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民法の親族に当たるか判断
被扶養者は、被保険者に生計を維持される者であって、主に以下の2つに分けられます(健保法第3条第7項)。①被保険者の直系尊属、配偶者(事実婚含む)、子、孫、弟妹、②被保険者の3親等内の親族で①以外の者。
②にある「親族」について、民法第725条では、(1)6親等内の血族、(2)配偶者、(3)3親等内の姻族としています。
一般的に、「血族」とは、出生による血のつながりがある者をいい、「姻族」とは、一方の配偶者と他方の配偶者の血族の関係をいいます。
なお、民法上の扶養義務者は、原則として直系血族および兄弟姉妹とされ、健保の被扶養者の定義と直接関係ありません(民法第877条)。
例えば、兄弟姉妹の配偶者をみてみます。被保険者側(夫)の場合、血族の配偶者は姻族になります。一方、被扶養者側(妻)の場合、兄弟姉妹の配偶者本人は、「被保険者の配偶者の血族」の配偶者、つまり姻族の配偶者です。民法上の親族の範囲から外れるため、健保の被扶養者の定義に該当しません。
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平成24年8月13日第2884号16面 掲載