「常時介護を必要とする状態」の条件緩和
- Q
介護休業の対象となる「常時介護を必要とする状態」ですが、介護保険法の定義とは一致しないと聞いたことがあります。具体的な判断基準は示されているのでしょうか。
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育介法でいう介護休業とは、その要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業をいう(法2条)とされています。負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間(2週間以上、育介則1条)にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。以上の点は、法改正による影響はありません。なお、対象家族の同居・扶養要件はカットされます。
ここでいう要介護状態とは、介護保険制度における「要介護状態」と必ずしも一致するものではない(平28・8・2雇児発0802第3号)としています。要介護認定されているかどうかは介護休業の取得要件ではありません。
常時介護を必要とする状態の基準については、現行の基準は介護保険制度の要介護2~3程度に相当すると考えられてはいたものの、はっきりとした規定はなく、「介護開始時点で8割以上が在宅介護を行っていること」などから、現在の状況に合わせたものに緩和する方向で見直しが行われたものです。
同通達の中にある「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」においては、2つの基準のいずれかに該当する場合、介護が必要な状態とされます。
まず、①「介護保険制度の要介護状態区分において要介護2以上あること」です。介護保険制度との整合性、一般の労働者・事業主による判断の容易さという観点から、介護保険制度の要介護状態区分を基準としました。
そして、②要介護認定を受ける前、要介護認定を受けられる年齢(40歳)に達しない場合において用いる基準、があります。こちらは、仮に要介護認定を受けて要介護1以下の場合でも当てはまる可能性があるとしています。
以上、基準緩和に伴い介護休業の取得対象者も拡大された印象です。