2021年6月配信の人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

2021.06.30 【雇用保険法】

介護休業中に出向命ず!? 保険給付への影響あるか

キーワード:
  • 介護休業
  • 出向
  • 被保険者資格
Q

 すでに在籍出向の辞令を発していた従業員から、突然、介護休業に入りたいと申出がありました。もちろん、申出には応じますが、休業期間の途中で、出向に切り替わるタイミングとなります。介護休業給付の受給に何か、影響があるのでしょうか。あるいは、出向の日付を、休業期間終了後にズラしたほうがよいのでしょうか。【神奈川・I社】

A

元・先で手続き発生する 被保険者資格を得喪

 在籍出向の場合、従業員は出向元、出向先の双方と雇用契約を結ぶ形となります。この場合、「その者が生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける一の雇用関係、すなわち主たる雇用関係についてのみ」、被保険者資格が認められます(雇用保険業務取扱要領)。ですから、出向元で被保険者資格を継続するケース、出向先で新たに被保険者資格を取得するケースの2とおりがあり得ます。

 さらに、新たに被保険者資格を取得する際、1日の空白もないケース、1日以上の空白があるケースが考えられます。…

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2021.06.29 【健康保険法】

育休取得し子の扶養は? 妻は自営で国民健康保険

キーワード:
  • 育児休業
  • 被扶養者
Q

 当社で、男性従業員が育児休業の取得を申し出てきました。これまで男性の取得者は何人かいましたが、今回はちょっと特殊なケースです。奥さんが美容院を経営し、国民健保の被保険者となっています。夫が休んでいる間、そのまま子供を被扶養者にしていても構わないのでしょうか。【宮崎・N社】

A

特例で継続する扱い 原則は収入等が多い方

 健保の被保険者(質問のケースでは夫)と国保の被保険者(同じく妻)が子供を養育している場合、2とおりのパターンが考えられます。

 第1は、夫が「主として生計を維持する者」と認められる場合で、子供は夫の被扶養者となります。第2は、妻が主たる生計維持者となる場合で、…

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2021.06.29 【労働基準法】

続けて適用可能? 定年後も1年変形制

キーワード:
  • 再雇用
  • 労働時間関係
  • 変形労働時間制
Q

 1年単位の変形労働時間制を採用しています。少し先に定年を迎える従業員がいて、引き続き嘱託で働くことになっているものの、定年の時期と対象期間の終了日が近いため、割増賃金の清算をせずに少しの間変形制下で働いてもらいたいです。可能ですか。【大分・S社】

A

継続雇用が確実なら可

 1年単位の変形労働時間制では、対象期間中の途中採用者・退職者など、対象期間より短い労働をした者に対して、実際に労働させた期間を平均して週40時間を超えた労働時間につき、割増賃金を支払う必要があります(労基法32条の4の2)。清算を行う時期は、途中採用者は対象期間の終了時点、途中退職者は退職の時点です。対象となる時間数は、変形制下における実労働時間から、法定労働時間の総枠(40時間×〈実労働期間の歴日数÷7日〉)を減じて求めます。…

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2021.06.29 【厚生年金保険法】

雇止め後の認定が影響か 障害年金申請待つべき?

キーワード:
  • 障害厚生年金
  • 雇止め
Q

 長年、パートで勤務されていた方が、旅行中の事故で複雑骨折の重傷を負いました。当分の間、職場復帰は難しい状況なので、まもなく到来する契約更新の時点で、雇止めしたいと考えています。ご本人から、「辞めた後で障害が残ったら、障害厚生年金の申請に支障が出るのではないか」と質問を受けました。障害年金の申請手続きが終わるまで、休業扱いする必要があるのでしょうか。【宮城・I社】

A

「初診日」あれば請求可能 65歳までに等級該当なら

 障害等級1・2級の場合、障害基礎年金・障害厚生年金がセットで支給されます。3級なら、障害厚生年金のみです。

 このうち障害厚生年金は、基本的に会社等で働いている人を対象とする給付です。このため、ご質問にあるパートさんは「在職中に障害の認定を受ける必要があるのではないか」という疑問を抱かれたようです。

 しかし、障害が残るほどの傷病であれば、出勤は…

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2021.06.28 【労災保険法】

病気の労災認定難しいか 業務起因性などどう判断

キーワード:
  • 労災認定
  • 業務上災害
  • 業務上疾病
Q

 業務上災害の業務上外認定において、「業務遂行性」と「業務起因性」が認められることが要件になることは承知しておりますが、業務上疾病の場合の「業務遂行性」と「業務起因性」はどのように考えたらいいのでしょうか。【富山・T社】

A

職場で有害物ばく露なら 基礎疾患悪化した場合も

 業務上災害の場合と同様に、業務上疾病においても「業務遂行性」と「業務起因性」が認められることが必要です。

 当該疾病と業務との関連について、ばく露期間、発症の条件等を厚生労働省労働基準局長が行政通達の形で示したものが「認定基準」と呼ばれるものです。認定基準を満たしている疾病については、原則として業務上疾病として取り扱われますが、労基法別表第1の2に定められた疾病すべてに認定基準が示されているわけではありません。

 認定基準が示されていない疾病については、個々の事案について業務起因性の判断が行われることになります。

 「業務遂行性」と「業務起因性」の考え方は以下のとおりです。

1 業務上疾病における「業務遂行性」

 「業務遂行性」とは、「労働者が労働契約に基づいて…

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