2021年10月配信の人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

2021.10.29 【労働基準法】

代替休暇のメリットは何? 時間外60時間超で 結局割賃義務が消滅せず

キーワード:
  • 代休
  • 割増賃金
  • 労働時間関係
Q

 中小企業に該当しなくなったことにより、「月60時間超の時間外労働に対して5割の割増賃金」の支払いが必要になるという記事を読みました(令3・10・11付本紙3324号)。対策として、代替休暇制度の導入が挙げられていましたが、通常の代休の場合、「休日を与えても、割増の支払い義務は消滅しない」といいます。代替休暇は、それとは異なり何か優遇の対象になっているのでしょうか。【岐阜・О社】

A

意向確認あれば縮減可能

 労基法では、1カ月の時間外労働が60時間を超えた場合について、5割以上の割増賃金支払を義務付けています(37条1項ただし書き)。しかし、労使協定を締結し、割増賃金の支払いに代えて代替休暇を与えるときは、「ただし書きによる割増賃金を支払うことを要しない」とされています(同条3項)。

 ただし書きによる割増賃金とは、…

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2021.10.29 【交通事故処理】

急ブレーキの責任あるか 後続車で避けきれず衝突

キーワード:
Q

 停車中の前方車の後方で停車し、前方車が発進したので私も続いて発進したところ、前方車が突然急ブレーキをかけて停車しました。私も急ブレーキを踏みましたが、前方車に衝突してしまいました。私にも過失があると言われてしまうのでしょうか。【神奈川・K生】

A

停車した理由が重要に 原則は追突側の過失

 赤信号や一時停止の規制に従って停止した車両に後方から追突した場合などでは、追突された前方車は、他に事故を回避する手段がないことから過失がないとされ、追突した後続車に前方不注視や車間距離不保持等を理由とした一方的過失が認められることが多いといえます。

 しかし、本件のように前方車が発進後に急停車して追突した場合には、次の観点から前方車の過失も検討が加えられ、基本的過失割合が修正される場合があります。

 すなわち、道路交通法24条は、「車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない」と規定し、前方車に対して、やむを得ない場合以外の急ブレーキを禁じています。したがって、…

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2021.10.29 【雇用保険法】

副業兼業の手続き必要か 被保険者範囲が拡大に

キーワード:
  • 副業・兼業
Q

 当社には、他社と掛け持ちで働く従業員が何人かいます。他社が本業、当社が兼業という形になります。ダブルワーカーも一定条件を満たす場合、2つの会社で同時に雇用保険の被保険者になることが可能になったと聞きます。当社として、掛け持ち従業員を対象として、何らかの手続きを採る必要があるのでしょうか。【香川・G社】

A

対象は65歳以上限定 本人希望すれば加入

 雇用保険では、「生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける雇用関係」についてのみ、被保険者とするのが原則です。

 他社が本業、貴社が兼業という場合、雇用保険加入の手続きが必要なのは本業である他社の方です(本業の雇用関係については、「週の所定労働時間20時間以上」等の要件を満たしている必要があります)。

 しかし、令和2年3月31日に公布された「改正雇用保険法」により、ダブルワーカーの二重加入に関する特例が創設されました。特例加入が認められる要件は、次の3点です(雇保法37条の5)。施行は、令和4年1月1日です。…

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2021.10.28 【労働基準法】

選挙の投票と労基法の関係は

キーワード:
  • ショート実務相談Q&A
Q

 選挙の投票日が近付いてきましたが、労基法には公民権行使に関する規定があったはずです。具体的にはどのような場合に、どういった権利が保障されているのでしょうか。

A

 労基法7条は、労働者が、労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、または公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合、使用者は拒んではならないとしています。法令に根拠を有する…

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2021.10.28 【健康保険法】

「連れ子」は扶養の対象か 入籍後手続きすべき!?

キーワード:
  • 手当
  • 被扶養者
Q

 中途採用で30歳台男性を採用しましたが、内縁の妻と連れ子がいるというお話です。2人とも健保の被扶養者にしたいと希望していますが、子どもも対象になるのでしょうか。就職を機に結婚式を挙げる予定とのことですが、その後で手続きした方がよいのでしょうか。【栃木・K社】

A

同居要件も満たせば可能 養子縁組しなくても

 同じ社会保険でも、健保と厚年では、家族の扱いが違う面もあります。

 厚年・国年法では、「配偶者には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む」と定義しています(厚年法3条、国年法5条)。しかし、配偶者の連れ子は、自動的には被保険者の子と認められません。

 一方、健保の被扶養者となる家族の範囲は健保法3条で定められていますが、大きく4グループに分けられています。…

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