2023年9月配信の人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

2023.09.29 【労働基準法】

休日出勤にも裁量あるか フレックス制を適用 36協定は時間外のみ規定

キーワード:
  • 36協定
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 当社の時間外・休日労働(36)協定をみると、フレックスタイム制が適用される部門では休日労働に関する定めがありませんでした。裁量があるから、休日出勤も自由と解釈している人がいるようです。本人の都合に合わせて問題ないのでしょうか。【栃木・D社】

A

許可制として時間把握

 フレックスタイム制(労基法32条の3)は、始業・終業を従業員に委ねる制度ですが、従業員に広く裁量があると誤解されがちです。労働時間や休日に関して適用を除外している労基法41条をみても、フレックス制の規定は見当たりません。

 36協定を有効に締結しなければ、…

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2023.09.29 【安全管理】

10月法改正でどう変わる 解体改修時の石綿調査

キーワード:
  • 石綿
Q

 古くなった自宅の建て替えについて近所の工務店に相談に行きました。そうしたら、解体前に旧住宅の建材に石綿が含まれているかの事前調査が必要で、令和5年10月1日からは、石綿含有建材調査者等の資格者による調査が義務化されたそうです。調査費用が従来より増える心配がありますが、なぜこのような仕組みになったのでしょうか。【神奈川・M生】

A

「事前調査」が強化される 講習修了した資格者必要

1 石綿の発じんによる健康障害

 石綿は「いしわた」「せきめん」または「アスベスト」と呼ばれる繊維状鉱物の総称です。鉱物なのに剥がれやすく、最終的には目に見えない3μm(マイクロメートル)未満まで小さくなり、建材等から発じんして空中を浮遊すると、人の肺の末端である肺胞まで入り込みます。発じんとは発散のしやすさの程度で、レベル1からレベル3まで分類されます。石綿は、…

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2023.09.28 【交通事故処理】

意識消失し賠償に影響? ドライバーが運転中発生

キーワード:
  • 損害賠償
Q

 テレビ、新聞などで、ドライバーが自動車運転中に意識を失ったために事故が発生したというニュースを見聞きすることがありますが、このような場合、ドライバーは損害賠償責任を負うことになるのでしょうか。【京都・I社】

A

「人身損害」は責任を負う 病気予見困難の裁判あり

 民法は、意識を失った状態(精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態)での行為については損害賠償責任が発生しないとした(713条本文)うえで、意識を失ったことについて故意、過失がある場合には損害賠償責任を負わなければならないとしています(同条ただし書)。

 この民法713条ただし書の過失の有無が問題となった事案についての…

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2023.09.27 【厚生年金保険法】

妻が遺族厚生年金受給か 婚外子いるときどうなる

キーワード:
  • 遺族厚生年金
  • 遺族基礎年金
Q

 社会保険労務士の試験勉強をしていて、夫が亡くなった場合の遺族年金のところで疑問が出ました。いわゆる重婚的内縁関係にある場合には実態をみて判断ということかと思います。この場合で、婚外子(非嫡出子)がいるときですが、遺族厚生年金は妻、遺族基礎年金は子というふうにバラバラに支給されるのでしょうか。【埼玉・T生】

A

基礎部分子に支給で停止 生計同一要件が必要に

 重婚的内縁関係にある場合ですが、厚年法3条2項は、この法律において、「配偶者」、「夫」および「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むとしています。判断基準として、「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(平23・3・23年発0323第1号)などがあります。

 「届出による婚姻関係を優先すべきことは当然」とあり、…

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2023.09.27 【健康保険法】

在宅勤務の手当で月変か 内訳に実費弁償部分含む

キーワード:
  • 在宅勤務
  • 手当
Q

 在宅勤務手当を支給するときに、実費弁償部分とそれ以外の部分で構成したとします。例えば、事務用品の購入代金に充てる部分とそれ以外のイメージです。月々の実費弁償部分が変動すれば、自動的にそれ以外の部分も変動することになります。これは固定的賃金の変動に当たり、随時改定が必要になるのでしょうか。【新潟・O社】

A

随時改定対象とならず 元々の固定的部分が報酬

 在宅勤務手当といっても、手当の内容は事業所ごとに異なり、その支給要件や、支給実態などを踏まえて個別に報酬等に該当するか判断する必要があります。例えば、内訳をとくに決めないで毎月5000円の手当を支給するとします。いわゆる渡し切り(返還を求めない)のものであれば、まとめて社会保険料の算定の基礎に含むと解されています(令5・6・27事務連絡)。

 報酬に当たるかどうか判断するうえで、…

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