2024年6月配信の人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

2024.06.28 【交通事故処理】

後遺障害等級の見直しは 保険金支給されどう調整

キーワード:
Q

 交通事故で負傷し、症状固定後に後遺障害について被害者請求を行った結果、後遺障害が認定されました。しかし、私の症状はより重い等級に該当すると思っていますので、後遺障害等級の認定を争いたいです。どのような手段があり、どのような点に注意すればいいでしょうか。また、自賠責保険から先行して支払われた保険金は、損害の元本ではなく、損害の総額に対する遅延損害金に先に充当されるべきだと思いますし、任意保険会社から支払われた内払いも遅延損害金にまず充当されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。【滋賀・S生】

A

訴訟以外にも方法あり 任意保険は「元本」へ充当

 後遺障害の認定結果に不服がある場合には、①異議申立て、②自賠責保険・共済紛争処理機構に対する紛争処理申請、③訴訟提起等の手段が考えられます。①異議申立ては、自賠責損害調査事務所において審査されます。異議申立てに回数制限はないですが、②自賠責保険・共済紛争処理機構に対する紛争処理申請は一度しか行うことができず、その判断に不服がある場合には訴訟提起等の手段を講じる必要があります。異議申立て等を行う場合、後遺障害の認定基準を意識した的確な主張をする必要があり、治療を受けた医師の意見書を添付資料とすることなどが考えられます。

 また、訴訟提起と異なり、…

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2024.06.28 【労働基準法】

遅刻や休職で賞与減は? 二重でカットする形 減給の制裁に抵触か

キーワード:
  • 賃金関係
  • 賞与
Q

 遅刻や休職期間があるとき、遅刻分は毎月の賃金から差し引いていて、賞与査定でもマイナスの評価をしています。従業員から二重のカットがおかしいという指摘を受けたことはありませんが、あらためて疑問を持ちました。休職については、原因によって扱いが異なるのでしょうか。【茨城・D社】

A

考課査定なら制約なし

 賞与の算式は各社各様ですが、たとえば、賞与の金額は、各社員の賞与算定基準額に「出勤率」と在籍率をそれぞれ乗じた額としたものがありました。出勤率を割り出すうえで、賞与の算定期間における欠勤等の時間の総数を、所定労働時間の総枠から差し引いています。

 遅刻の場合、賃金カットするのが一般的ですが、「遅刻・早退の時間については賃金債権が生じないものであるから、その分の減給は労基法91条(減給の制裁)の制限を受けない」(昭63・3・14基発150号)と解されています。一方、…

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2024.06.28 【安全管理】

3Dプリンターは危険!? 金属加工用に導入予定

キーワード:
  • 溶接
Q

 金属3Dプリンター機能を有する工作機械を導入したいのですが、安全衛生上の注意点を教えてください。【神奈川・T社】

A

ヒュームのばく露防止を アークを熱源とするとき

 金属3Dプリンターは、金属粉末やワイヤなどにアークやレーザーを照射して溶融結合させることで目的形状に造形する付加造形(金属積層造形)です。アディティブマニュファクチャリング(以下、AM)とも呼ばれ、安全衛生上で注意すべき項目もあります。

(1)溶接ヒュームの危険性

 「AM」は溶接や溶融と基本的な原理は同じで、金属粉末やワイヤを溶融させる際に「(溶接)ヒューム」が発生します。急速に熱せられた金属が蒸気となり空気中で冷却され凝固したもので、…

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2024.06.27 【健康保険法】

保険料負担軽減の上限は 被保険者へ手当を支給

キーワード:
  • 標準報酬月額
  • 社会保険
Q

 社会保険の被保険者となる従業員に手当を支給することによって、保険料負担を軽減する仕組みがあります。保険料算定の基礎となる標準報酬月額等の算定から除外することができるといいますが、除外できるのは、健康保険と厚生年金の保険料額のうち本人負担分の合計額が上限になるのでしょうか。【東京・V社】

A

介護保険料も対象に含む 労使双方で合意が必要に

 社会保険適用促進手当は、労働者が社会保険に加入するに当たって、事業主が労働者の保険料負担を軽減するために支給するものです。支給するかどうかは任意です。

 支給する手当は、標準報酬月額等の算定から控除できます。控除できるのは、社会保険の適用に伴い発生する本人負担分の保険料額です。会社が支給する手当が、控除限度額を超えるときには、…

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2024.06.27 【女性活躍推進法】

年休の取得率をどう算出 基準あれば知りたい

キーワード:
  • 年次有給休暇
Q

 年次有給休暇の取得率に関する社内データをまとめています。データの取り方として何か基準となるルールはないでしょうか。年休取得率といえば厚生労働省の統計が示されていますが、参考になるものがあれば教えてください。【和歌山・F社】

A

分子は繰越日数問わず 状況把握や情報公表時

 年休の付与に関する労基法の説明は割愛しますが、付与された日数のうち時効消滅しない部分は繰り越されるため、消化した日数は前年に付与されたものであることが一般的です。

 年休の取得状況に関する公的な統計といえば、厚生労働省「就労条件総合調査」や中労委「賃金事情等総合調査」があります。前者の調査で、…

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