2025年2月配信の人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

NEW2025.02.28 【育児・介護休業法】

在職証明書の作成義務あるか 育児関係で依頼あり ルールや根拠を教えて

キーワード:
Q

 入社してまもない従業員から、育児のための在職証明書を作成して欲しいと依頼がありました。もちろん作成しますが、すぐに辞めてしまわないか心配です。労基法22条をみると、退職時等の証明とあり、証明事項に使用期間が含まれていました。同条に基づき作成が必要になるのでしょうか。【福島・D社】

A

信義則上の義務と判決

 保育所等の利用を希望する保護者が、市町村に申請して保育の必要性に関する認定を受ける際、就労証明書を添付する必要があります。令和6年9月に公布・施行された子ども・子育て支援法施行規則において、在職証明書の標準的な様式が示されています。

 労基法に基づく退職時等の証明書(法22条)について、記載事項には、使用期間が含まれています。なお、現在の条文に改正されるまでの条文のタイトルは「使用証明」でした(菅野和夫・山川隆一「労働法」など)。同条の退職時等の「等」が示すのは、解雇や契約期間が満了する場合です。就労していることの証明書が必要となる場合について規定したものではありません。

 退職労働者は、…

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NEW2025.02.28 【交通事故処理】

聴覚障害あり逸失利益は 年少者の収入をどう算定

キーワード:
  • 損害賠償
Q

 聴覚障害のある11歳の娘が交通事故に遭い亡くなりました。加害者に対して、娘が生きていれば得られたはずの収入について、どのような請求ができるでしょうか。【神奈川・I生】

A

減額する理由なしと判決 労働能力の制限を認めず

 交通事故の被害者が加害者に対して請求する損害には、治療費や慰謝料のほかに、被害者が事故に遭わなければ得られたはずの利益、すなわち逸失利益が挙げられます。

 死亡事故における逸失利益は、事故当時に現に得ていた収入を基準に、67歳まで働く場合を想定した稼働期間を乗じて求められます(ただし、その間の生活に要する費用は控除されます)。

 年少者などの未就労の方が亡くなった場合には、通常、…

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NEW2025.02.27 【育児・介護休業法】

労使協定周知なかった? 就業規則には除外規定

キーワード:
  • 労使協定
Q

 令和7年4月から順次、育児介護休業法の改正が予定されているため就業規則を確認していたところ、労使協定に基づき、対象から除外するという規定がありました。しかし、労使協定の有無が確認できません。周知されていない協定でも除外協定として効力を有するのでしょうか。【山口・T社】

A

対象者かどうか明らかに 4月から休暇関係見直し

 労使協定には、育介法に基づくもののほか、労基法や高年齢者法、派遣法等に基づくものがあります。一般的なものとして、時間外・休日労働(36)協定が挙げられます。労基法に基づく労使協定は、法律の条文で常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けたり、書面を交付すること等の方法で、労働者に周知させなければならないと規定しています(法106条)。周知を怠ると罰金刑の対象です。

 育介法で労使協定を締結する場面としては、育児・介護休業の適用除外(法6条)、育児・介護のための所定外労働の制限の適用除外(法16条の8)、育児・介護のための所定労働時間の短縮(法23条)等があります。その他、…

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NEW2025.02.27 【パート・有期雇用労働法】

ダウンロード方式可能か パートの労働条件明示

キーワード:
  • アルバイト
  • パート
  • 労働条件
Q

 パート・アルバイトの契約を更新したときには、メールで労働条件を伝えています。メールに通知書の書面を添付する方法のほかに、URLを貼り付けてダウンロードしてもらう方法も可能でしょうか。【富山・B社】

A

到達とはいえないおそれ 書面添付する形がベター

 労働条件の明示のタイミングは、労働契約を新たに締結したときのほかに、更新時も含まれます。更新は、新たな雇入れに該当するためです。

 メール等による明示が認められるのは、本人が希望した場合に限られています(労基則5条4項、昇給の有無など特定事項に関してパート・有期雇用労働法施行規則2条)。事業主からメールの送信等による方法を提示して、…

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2025.02.26 【労働基準法】

就業規則へ規定が必要? 欠勤控除をするためには

キーワード:
  • 就業規則
  • 賃金関係
Q

 欠勤控除について、日給月給制と労働契約の締結時に示すだけでなく、就業規則等に規定を設けることも必要なのでしょうか。設けないデメリットには何がありますか。【熊本・K社】

A

予定していないと推認も 計算方法含め定めておく

 労働契約上の賃金請求権の発生については、労契法に規定がなく、民法における雇用の規定や契約の一般規定に委ねられています(菅野和夫・山川隆一「労働法」)。民法624条では、約した労働を終わった後でなければ報酬を請求できないとしています。労務の提供が労働者の意思でなされない場合、反対給付の賃金も発生しないこととなり、これはノーワーク・ノーペイ原則と呼ばれています。なお、これは契約解釈上の原則にすぎず、欠勤で減額しないなど異なる定めをした際は、そちらに従います。

 確かに、日給月給制など企業が採用する賃金形態から、賃金控除に関する規定がなくても控除可能な場合があり得るとされています(杜若経営法律事務所「就業規則の法律相談」)。しかし…

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