労働保険徴収法

2025.01.13 【労働保険徴収法】

消滅した休暇買上げは? 「労働保険」上の賃金

キーワード:
  • 年次有給休暇
  • 賃金
Q

 当社では法定の年次有給休暇に日数を上乗せしています。消化できなかった上乗せ部分に金銭を支払うと、雇用保険や労災保険の保険料計算において、賃金に当たるのでしょうか。【長野・T社】

A

規定で義務付けあれば 積立制度を採用例も

 法定の年次有給休暇とは別に休暇を付与するときには、法定部分と付与する時期や取得時の賃金等の取扱いが異なることがあるため、それぞれ別々に規定すべきです。一体の規定では、法定部分とそれ以外の「色分け」ができません。

 法定の年休についても、結果的に未消化となった部分に手当を支給することは違法ではないと解されています(菅野和夫・山川隆一「労働法」)。なお、時効により消滅した部分を積み立てて、私傷病やリフレッシュ休暇など別の形で与えている会社もあります。令和6年3月のJILPT「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)」によれば、…

回答の続きはこちら
2024.12.26 【労働保険徴収法】

保険給付額へ含まない? メリット収支率の計算で

キーワード:
  • メリット制
Q

 労災保険のメリット制適用における収支率算定では、特定の疾病にかかった者に対して支払われた保険給付の額に含まれないものもあると聞いています。教えて下さい。【山口・B社】

A

労基則に掲げる特定疾病 1年未満等一定条件あり

保険関係成立から3年以上等の要件ある

 メリット制は、労災の多寡に応じて労災保険料率・額を増減させる制度です。継続事業の場合は、個別事業ごとに労災保険の収支率を計算したうえで、労災保険料率を上下させます(徴収法12条3項)。

 適用が受けられる事業規模等が定められています。継続事業のメリット制は、次の①、②のいずれにも該当する事業に適用されます。…

回答の続きはこちら
2024.08.12 【労働保険徴収法】

労災かくしの影響は!? メリット収支率を計算

キーワード:
  • メリット制
  • 労災隠し
Q

 「労災かくし」が判明してその後労災保険給付が支給されれば、メリット収支率にも影響が及ぶはずです。このような場合、保険率はどのように見直されるのでしょうか。【鹿児島・I社】

A

本来支給日に遡及する

 労災保険率は事業の種類ごとに定められています。災害率等に応じて定められているところ、個々の事業の災害率には差があります。そこで、事業主の負担の公平を図るとともに、事業主の災害防止努力を促進する意味で、保険率等を増減させるのがメリット制です。判例(最一小判令6・7・4)も、…

回答の続きはこちら
2024.04.15 【労働保険徴収法】

労働保険料も含める!? 給与明細で一括控除

キーワード:
  • 標準報酬月額
  • 社会保険
Q

 給与明細には、社会保険料や税金関係の控除に関する項目があります。健康保険や厚生年金、雇用保険などの内訳の明示までは必要なく、保険料などとしてひとまとめでも良いのでしょうか。【香川・R生】

A

社会保険と別に記載を

 給与明細の交付に関しては所得税法に規定がありますが、ここでは労働・社会保険関係の法令について確認してみましょう。

 事業主は、健保法や厚年法に基づいて、標準報酬月額や標準報酬賞与額の保険料(一般保険料額)を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を…

回答の続きはこちら
2024.03.13 【労働保険徴収法】

令和6年度の料率教えて 雇用保険は財政ひっ迫

キーワード:
  • 雇用保険料率
Q

 コロナ禍で雇用保険財政がひっ迫しているという報道があったと記憶しています。令和6年の雇用保険料率は弾力条項の発動等により変更はあったのでしょうか。労使でそれぞれどのように負担する仕組みになっているのかも教えてください。【福島・N社】

A

前年度と同率と公表 労働者負担は0.6%

 雇用保険料率は、法律の本則で原則1000分の15.5(農林水産業・建設業等については下表参照)としています(徴収法12条4項)。ただし、財政状況を踏まえ、原則1000分の11.5から1000分の19.5の範囲内で調整が可能です(5項)。これを弾力条項と呼びます。

 さらに、後述の雇用保険二事業に関する保険料を下げた場合、範囲は「1000分の11から1000分の19」に読み替えられます(9項)。

 保険料の負担方法は、次のとおりです(徴収法31条)。…

回答の続きはこちら
もっと見る もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。