健康保険法

2025.03.12 【健康保険法】

入院時食事代の負担増か 高額療養費支給される?

キーワード:
  • 高額療養費
Q

 「入院時の食事代負担が20円増える」という記事を一般紙でみました。都道府県の健康保険料率のように毎年見直されているものではなさそうですが、どのような仕組みで見直しが実施されているのでしょうか。入院期間が長引けば被保険者の負担も大きくなりますが、高額療養費でカバーされるのでしょうか。【山梨・S社】

A

食事療養費は20円アップ 食材費等の高騰に対応

 入院時に療養の給付のほか、食事の提供を受けた場合、入院時食事療養費が支給されます(健保法85条)。入院中の食事の費用は、健康保険から支給される入院時食事療養費と入院患者が支払う標準負担額でまかなわれます(下表)。

 入院時食事療養費の額は、厚労大臣が定める基準にしたがって算出した額から、平均的な家計における食事を勘案して厚労大臣が定める標準負担額(自己負担額)を控除した額となっています。令和6年6月以降は、…

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2025.03.11 【健康保険法】

標準月額を改定か? 日数少ない出生後育休

キーワード:
  • 育児休業
Q

 近々配偶者が出産予定の労働者がいます。出生後育児休業を取得予定ですが、連続して通常の育休を取得する予定はないとのことです。出生後育休は子の出生後8週間以内に28日までと短期間ですが、それでも育児休業等終了時改定の対象なのでしょうか。【愛媛・E社】

A

定義上該当するため対象になる

 育児休業等を終了し職場復帰した際、短時間勤務制度の利用などで報酬が下がるケースがありますが、随時改定を待たず標準報酬月額を改定する仕組みがあります。

 これが育児休業等終了時改定(健保法43条の2)で、対象は、育休等の終了後も引き続き満3歳未満の子を養育する被保険者です。育休等終了日の翌日が属する月以後…

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2025.02.24 【健康保険法】

短時間勤務で月変? 欠勤控除と異なるか

キーワード:
  • 短時間勤務
Q

 介護を理由とした短時間勤務制度を利用する従業員に対し、短縮した時間に応じて賃金を一部カットしています。欠勤控除と同様に取り扱ってきましたが、社会保険の関係では改定の可能性を考えるべきだったのでしょうか。【鹿児島・T社】

A

所定見直しなら該当も

 標準報酬月額を見直すタイミングとして、固定的賃金が変動した場合があります。昇給や降給のほか、賃金体系の変更があります(昭36・1・26保発4号、平30・3・1保発0301第8号)。

 一時的に短時間勤務となって、これまでよりも少ない報酬となったときに、改定の契機になり得るでしょうか。

 遅刻早退等で賃金控除した際など、通勤の実績がないことによる手当の不支給は…

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2025.02.13 【健康保険法】

奨学金返済を支援したい 社会保険料への影響心配

キーワード:
  • 手当
  • 社会保険
Q

 従業員の奨学金の返済を支援するに当たって、会社から本人へ直接手当等として支給するか、それとも会社が直接「代理返還」するほうが良いのか検討しています。社会保険の報酬への影響が気になっていて、どのような相違があるでしょうか。【埼玉・I社】

A

代理返還なら報酬除外も 手当や貸付けは注意必要

 事業主が、奨学金の返還するための手当等を被保険者に支給するような場合には、手当等が奨学金の返済に充てられることが明らかではないため、「報酬等」に該当すると解されています(令5・6・27事務連絡)。

 報酬とは、「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもの」が該当します(健保法3条5項)。このうち、3カ月を超える期間ごとに受けるものは、賞与になります(同条6号)。

 返済が終わったタイミングで従業員が退職すると会社としては困ってしまいます。会社が、一定期間の勤務を条件に費用を貸与した形を採ることがあります。通知の中に、…

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2025.02.04 【健康保険法】

保険料を肩代わり? 健保組合の特例とは何か

キーワード:
  • 標準報酬月額
  • 社会保険
Q

 「106万円の壁」への対応として、企業が被保険者の社会保険料を肩代わりできる仕組みを国が検討中と聞きます。健保組合の特例を参考にしたそうですが、この特例とはどのような制度なのでしょうか。【神奈川・M社】

A

規約で定め負担割合増加させる

 健康保険の社会保険料は、標準報酬月額などに保険料率を乗じて計算します。事業主と被保険者で半分ずつ負担します(健保法161条)。

 保険者が健康保険組合の場合は、事業主と被保険者が合意し規約で定めることで、事業主の負担割合を増加させることができます(法162条)。健康保険組合連合会「健康保険組合の現勢」によると、…

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