労災保険法

2025.02.12 【労災保険法】

事業場名公表は目的何か 石綿ばく露と労災認定で

キーワード:
  • 石綿
Q

 先日、阪神大震災でアスベストを吸って肺がんを発症したとして労災認定されたとの報道をみました。また、毎年石綿ばく露作業による労災認定などを受けた労働者が所属していた事業場の名称、所在地、作業状況などの情報が公表されています。建築物解体作業などの石綿ばく露作業に従事していたことが原因で、肺がんなどの石綿関連疾患を発症した場合の労災保険給付および事業場名公表の目的等について教えて下さい。【熊本・A社】

A

従事の可能性を注意喚起 周辺住民が改めて確認も

 肺がん、中皮腫などを発症し、それが労働者として石綿(アスベスト)ばく露作業に従事していたことが原因である(業務上疾病)と認められた場合には、労災保険からの給付を受けることができます。労災保険の遺族補償給付を受ける権利が時効(5年)により消滅した方に対しては、特別遺族給付金が支給されます。また、公表事業場で過去に就労していた労働者の方々に対して、石綿ばく露作業に従事した可能性があることへの注意を喚起する等のために、石綿ばく露による労災認定等事業場の公表が行われています。

石綿ばく露作業とは何かを厚労省ウェブページで確認できる

 石綿は耐熱性等の性質が優れていることから、防火、耐熱、絶縁の素材として広範囲に使用されてきましたが、…

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2025.01.27 【労災保険法】

コンビニで転び通災? 通勤経路上にある店舗

キーワード:
  • 通勤災害
Q

 出勤途中に最寄り駅の近くにあるコンビニに立ち寄り転倒したら、通勤災害に当たるのでしょうか。通勤中のささいな行為なら逸脱・中断に当たらないということですが……。【広島・T生】

A

買い物目的で逸脱中断の例

 通勤災害として保険給付の対象となるのは、住居と就業場所との間の往復行為が、合理的な経路および方法で行われるなど、労災法7条の通勤の要件を満たす場合です。

 買い物目的でのコンビニへの立ち寄りを、通勤との関連性は希薄で、態様や目的等を考慮しても、…

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2024.12.16 【労災保険法】

待期期間どう計算 副業先へ移動中にケガ

キーワード:
  • 通勤災害
Q

 当社で副業をしている従業員が、本業の会社から出勤してくる途中にケガをしました。このような場合には、労災保険給付の対象になると思われますが、待期期間はどのように考えれば良いのでしょうか。【神奈川・A社】

A

通勤災害で休業1日に

 副業先の労務の提供に不可欠な移動中に発生した通勤災害という扱いになります(副業・兼業ガイドライン)。事業場の間を移動する際に起こった災害は、「終点の事業場」の保険関係で処理します(平18・3・31基発0331042号)。

 休業の初日から3日目までは休業給付の支給はありません(労災法22条の2第2項で法14条を準用)。4日目以降は、副業と本業の給付基礎日額に相当する額を合算して、…

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2024.11.12 【労災保険法】

受給は1回限り? 労災保険の特別支給金

キーワード:
  • 労災保険給付
Q

 あってはならないことなのですが、業務上災害で労働者が亡くなりました。労災保険には特別支給金というものもあるようですが、どのような内容でしょうか。支給は一時金として1回限りですか。【長崎・Y社】

A

賞与反映部分が年金として支給

 特別支給金は通常の保険給付の上乗せ分として支給されます。特別支給一時金といわゆるボーナス特別支給金の2つがあります(特別支給金規則2条)。

 遺族補償年金の受給権者に対し、特別支給一時金として遺族特別支給金が支払われます(同則5条)。額は…

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2024.10.29 【労災保険法】

メリット制へどう影響か 複数業務要因災害に該当

キーワード:
  • メリット制
  • 副業・兼業
Q

 複数事業労働者の「複数業務要因災害」に係る保険給付が行われた場合、労基法に基づく災害補償責任はどうなるでしょうか。メリット制との関係についても教えて下さい。【福島・S社】

A

収支率の算定基礎ならず 業務災害ならば考慮対象

 複数事業労働者の「複数業務要因災害」(後述)に係る複数就業先については、労基法に基づく災害補償責任は負わず、メリット収支率の算定の基礎とはなりません。一方、複数事業労働者の「業務災害」については、従来どおり災害発生事業場が労基法に基づく災害補償責任を負うこととなり、災害発生事業場についてメリット収支率の算定の基礎とされます(非災害発生事業場についてはメリット収支率の算定の基礎とはしません)。

複数業務要因災害では、二以上の事業における業務上の負荷を総合的に評価

 「複数業務要因災害」とは、副業・兼業などをする複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする傷病等であるので、二以上の事業における業務上の負荷を総合的に評価することによって…

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