労働安全衛生法

2025.03.11 【労働安全衛生法】

特別指定制度とは何か? 個別指導受けるようだが

キーワード:
  • 安全衛生教育
Q

 安全衛生管理体制が不十分で安全衛生水準が低い事業場に対して、安全管理特別指導制度または衛生管理特別指導制度という、労働局から指定され、個別の指導が実施される仕組みがあると聞きました。この制度の詳細を教えてください。【広島・M社】

A

計画を作成し順守必要に 安衛コンサル活用も有効

労基署から個別の指導を受ける

 安衛法79条に基づき、都道府県労働局長は、必要に応じて、事業者に対し、安全または衛生に関する改善計画(安全衛生改善計画)を作成するよう指示できます。安全面を主とする安全衛生に関して総合的な改善整備が必要と指定された事業場を「安全管理特別指導事業場」(略称、安特)といいます。作成した計画には順守義務が生じます。この一連の仕組みが安全管理特別指導制度です。労働衛生では、指定された事業場が衛生管理特別指導事業場(衛特)となり、衛生管理特別指導制度といいます。

 安全衛生改善計画の作成を指示された安特・衛特は、4月~翌年3月の1年間、労働局と、事業場を管轄する労基署の労働基準監督官、産業安全専門官、労働衛生専門官などによる個別指導を受けます。さらに、労基署から定期的に訪問があり、作成した安全衛生管理計画書に従って安全衛生管理活動を進めているかを確認、指導されます。

 なお、法78条に基づき、…

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2025.02.26 【労働安全衛生法】

農作業の安全対策何か? 基本的な安全施策教えて

キーワード:
  • 安全管理
  • 農業
Q

 農業において、短期の体験業務や、障害者雇用など、雇用形態も多様化しており、安全管理は喫緊の課題となっています。基本的な安全施策をご教示ください。【山形・R社】

A

雇入れ時等教育実施する 法改正で省略項目は廃止

 令和4年の農業での死亡者数は238人です。就業者10万人当たりの死亡者数は、建設業の5.9人に対し、農業は11.1人を数えています。まずは、農作業は危険な作業があることを自覚しなければなりません。

 農作業の安全のため、農林水産省が委託し、厚労省が協力して、(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会が「農作業の安全を学びましょう」というリーフレットを発行しています。労働安全衛生関係法令では、労働者が従事する業務で労働災害に被災しないよう、職場環境や機械設備、材料の持つ危険性および有害性を知らせるほか、…

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2025.01.28 【労働安全衛生法】

実施は所定時間内か 定期健診後に行う再検査

キーワード:
  • 健康診断
Q

 定期健康診断は所定労働時間内に実施しているのですが、一方でその後の再検査は労働者任せとなっていました。再検査についても労働時間内に行うべきなのでしょうか。【富山・N社】

A

就労を免除して賃金の支払いも

 安衛法66条の健康診断の受診に要した時間の賃金に関して、まず年1回の定期健診など一般健診については、当然に事業主が負担すべきものではなく、労使で協議して定めるとしています(昭47・9・18基発602号)。ただし、労働者の健康確保は事業の円滑な運営に不可欠な条件であることを考え、支払うのが望ましいともしています。なお、有機溶剤業務など一定の有害な業務で対象となる…

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2025.01.28 【労働安全衛生法】

化学物質管理者の役割は 衛生委員会運営で注意点

キーワード:
  • 化学物質管理
  • 製造業
Q

 中小規模の金属製品製造業の事業場で安全衛生を担当しています。化学物質の自律的管理に関する法令が昨年の4月1日から全面施行になりましたが、このなかで衛生委員会を運営する際に配慮すべき事項について教えて下さい。【長崎・O社】

A

構成員とするなど関与を 付議事項で関係内容多く

衛生委員会でばく露低減措置などの審議も必要に

 安衛法では、事業者に対し、製造業を中心とした一定の業種や規模ごとに安全委員会の設置を義務付けています(法17条)。例えば建設業や鉄鋼業などの一部製造業なら、常時使用する労働者の数が50人以上で対象です。また、業種にかかわらず、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生委員会の設置が必須となっています(法18条)。2つの委員会の設置が必要な事業場では、これらに代えて、安全衛生委員会を設けることができるとされています(法19条)。

 衛生委員会については、法18条1項の1~4号で調査審議事項を定めています。4号には、労働者の健康障害の防止および健康の保持増進に関する重要事項とあります。この規定に基づき、詳細が安衛則22条の各号で示されています。

 令和4年からの化学物質の自律的管理に関する一連の安衛法令の改正により、リスクアセスメント対象物質のばく露濃度の低減等に関する規定として則577条の2が新設されました。この改正に応じて、則22条11号が、衛生委員会における新たな付議事項として追加されています。2段階で施行され、具体的にはのとおりです。…

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2025.01.10 【労働安全衛生法】

一歩進んだ安全対策何か 法令以上の措置講じたい

キーワード:
  • リスクアセスメント
  • 衛生管理
Q

 職場の安全を計画的に保持するため、法定されている体制の構築のほか、一歩進んだ安全衛生施策のための有効な手段があれば教えてください。【岡山・H社】

A

OSHMSを厚労省示す 継続的かつ自主的に展開

 ご質問の趣旨に沿ったものとして、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(平11・4・30労働省告示53号、改正令元・7・1厚労省告示54号)が示されています。

 同指針1条には目的として、「この指針は、事業者が労働者の協力の下に一連の過程を定めて継続的に行う自主的な安全衛生活動を促進することにより、労働災害の防止を図るとともに、労働者の健康の増進及び快適な職場環境の形成の促進を図り、もって事業場における安全衛生の水準の向上に資することを目的とする」としています。以下、内容を見てみましょう。

管理者の責任と権限定め体制整備する

 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は、事業者が労働者の協力の下「計画(Plan)-実施(Do)-評価(Check)-改善(Act)」(PDCAサイクル)という一連の過程を定め、継続的な安全衛生管理を自主的に進めることで、労災防止と労働者の健康増進、快適な職場環境を形成し、事業場の安全衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組みです。指針の特徴として以下が挙げられます。…

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