『フレックスタイム制』の労働実務相談Q&A

2025.04.10 【労働基準法】

特別条項なくてもよい? 3カ月フレックスを導入

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 36協定の更新時期が近付いています。実際の時間外労働が長くても40時間で、特別条項は設けていませんでした。このたび清算期間3カ月のフレックスタイム制の導入が決まったのですが、36協定は従来どおりの延長時間としても影響はないでしょうか。【岐阜・U社】

A

最終の期間は注意が必要 全体における時間外労働

 時間外・休日労働をさせるには、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)と時間外・休日労働(36)協定を締結しなければなりません。法定労働時間を超えて働かせる時間として定める延長時間は限度時間の範囲内とします(法36条3項)。限度時間は、4項で月45時間、年360時間となっています。

 特別条項を設けることにより、この時間を超えた延長時間を定めることができます(5項)。この場合でも、時間外労働は年720時間以内とするほか、時間外・休日労働の合計について月100時間未満とすることが求められます。また、2~6カ月平均で月80時間以内で働かせることも必要です。なお、特別条項を発動し月45時間を超えることができるのは、…

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2025.02.21 【労働基準法】

週の予定聞くこと可能か フレックス制を適用 始業終業委ねる条件だが

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 当社では、研究・技術開発部門を対象にフレックスタイム制を導入しています。会議等を実施する際に個々に予定を確認するのは煩雑なため、適用される部門の上長が翌週の予定をまとめて聞く形でも問題ないでしょうか。会議等の出席に応じない従業員は通常の労働時間制に戻すことも可能でしょうか。【神奈川・N社】

A

会議等はコアタイムで

 フレックスタイム制を導入するためには、始業終業時刻について、労働者の決定に委ねる旨就業規則等に定めなければなりません(労基法32条の3)。したがって、あらかじめ出退勤時刻について上司の承認を要するといった制度は、始業終業時刻の決定を労働者自身に委ねているとはいえないでしょう。使用者は、コアタイムの時間を除き、労働者に対してある時刻までの出勤を命じるためには、労働者の同意を得て初めて行うことができると解されています(菅野和夫・山川隆一「労働法」)。会議がフレキシブルタイム中に、…

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2024.08.09 【労働基準法】

欠勤控除はできるのか? フレックス制を採用時に

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 賃金関係
Q

 清算期間3カ月のフレックスタイム制を採用しています。ある清算期間の最初の月において、コアタイムの開始に始業が間に合わず遅刻となった労働者がいました。その分を欠勤控除し賃金を支払ったところ、「清算期間全体で帳尻を合わせられるのに控除するのはおかしい」と言われました。欠勤控除まではできないものなのでしょうか。【山口・A社】

A

コアタイムの遅刻など可 査定へ反映させることも

 フレックスタイム制は、労働者に始業・終業の時刻の決定を委ねる制度です(労基法32条の3)。導入に際しては、委ねる旨を就業規則へ規定するほか、労使協定の締結も必要です。締結事項は、①対象となる労働者の範囲、②清算期間(最長3カ月)、③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)、④標準となる1日の労働時間です。任意で、⑤必ず働かなければならないコアタイム、⑥労働者が始業・終業時刻を決められる時間帯を指すフレキシブルタイムを設けることもできます。なお、フレキシブルタイムが極端に短かったり、コアタイムの時間数と④がほぼ一致していたりする場合等は、基本的には労働者に決定を委ねたこととはならないとされています(昭63・1・1基発1号)。

 上述のとおり始業・終業時刻の決定を委ねるため、基本的には遅刻や早退の問題は生じないといえます。1日の標準の労働時間に達しない時間も欠勤となるわけではありません(厚労省「わかりやすい解説&導入の手引き」)。ただし、コアタイムを設けているときは、…

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2024.07.12 【労働基準法】

月の総枠内でも割増賃金必要か フレックス制を採用 週休2日の法定外休日

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 割増賃金
  • 賃金関係
Q

 当社の事務職はフレックスタイム制を採用し、週休2日制です。土曜日に出勤する場合は、月の総労働時間(契約時間)に含めてカウントし、契約時間を超えた時間に時間外の割増賃金を支払っています。所定休日労働の対価として、割増賃金を支払う必要があるのでしょうか。【京都・E社】

A

総労働時間に算入可能

 フレックスタイム制は、1カ月以内の一定期間の総労働時間(契約時間)を定めておき、労働者がその範囲内で各日の始業・終業の時刻を選択して働くことができる制度です。

 フレックス制の適用者にも労基法35条(休日)の適用があり、…

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2024.04.30 【労働基準法】

別の定めできるか? コアタイムを特定部署に

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 当社はフレックスタイム制を導入しており、コアタイムは、適用者全員一律の時間帯としています。一部の部署で、繁忙となる月末に労働者間の連絡調整がうまくいかないことがあり、もう少しコアタイムを伸ばせないかと思います。不利益変更の問題はさておき、特定の部署・期間だけ別の定めをすることは可能なのでしょうか。【長野・W社】

A

労使協定により自由な設定可能

 フレックスタイム制(労基法32条の3)では、任意で、コアタイムとフレキシブルタイムを設定できます。コアタイムの時間帯は、労使協定で自由に決められるとしています(労基法コンメンタール)。設ける日、設けない日を設定したり、日によって異なるものも可能です。コアタイムを分割することもできます。

 このため、部署や時期により異なるコアタイムを適用することも可能といえます。…

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