『労使協定』の労働実務相談Q&A

2024.12.17 【労働基準法】

労使協定も必要か 遅刻等の際に賃金カット

キーワード:
  • 労使協定
  • 賃金関係
Q

 遅刻等に対して賃金をカットする場合、控除ということになって労使協定も必要になるのでしょうか。当社の規定の見直しを進めていたところ、賃金カットは就業規則の規定しかなく、控除に関する労使協定の対象に含まれていないため気になっています。【熊本・I社】

A

「控除」ではないため求められず

 全額払の原則は、履行期の到来している賃金債権について一部を差し引いて(控除して)支払うことを禁止しています(労基法24条)。例外として、社会保険料など法令に基づく場合のほか、労使協定の締結による控除を認めています。

 一方、労働者の自己都合による欠勤や遅刻があった際に、債務の本旨に従った労働の提供がなかった限度で賃金を支払わないことは、賃金債権が発生していないものであり、控除ではなく、法24条違反とはならないと解されています(労基法コンメンタール)。ご質問の場合は、労使協定までは必要ないといえます。

 なお、賃金カットは労働契約や就業規則に基づき…

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2024.11.29 【労働基準法】

過半数代表者は1人のみ? 規程変更や協定締結時 各部署から選びたいが

キーワード:
  • 労使協定
  • 労務一般関係
  • 就業規則
  • 過半数代表
Q

 当社で育児・介護休業の規定や労使協定の見直しが必要な事態となりました。そもそもとして規定の内容自体が非常に複雑です。過半数代表者を1人とするのではなく、できれば各部署から複数人を選出したいと考えています。しかし、代表という文言からすると、問題があるのでしょうか。【山梨・U社】

A

複数選出も適法に可能

 過半数代表者の選任が必要になるのは、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合です。

 過半数代表者の選任手続きは、労基則6条の2に定められています。就業規則の作成・変更や労使協定を締結することを明らかにして投票、挙手等を実施する必要があります。「等」には、労働者の話合い、持ち回り決議等労働者の過半数が選任を支持していることが明確になる民主的手続きが該当すると解されています(平11・3・31基発169号)。使用者の意向に基づき指名された者でないことという要件も満たす必要があります(同条1項2号)。

 代表者の人数について、条文の「過半数を代表する者」という表現から、…

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2024.10.29 【労働基準法】

特定の時期どう異なる? 変形制には3種類あるが

キーワード:
  • 労使協定
  • 労働時間関係
  • 変形労働時間制
Q

 1年単位の変形労働時間制において、30日前までの労働時間の決定時に同意を得られないとどうなるでしょうか。また、他の変形制では、いつまでに決めるのがよいですか。【岡山・A社】

A

1年単位なら締結後でも 原則拒否許されない見解

 1カ月変形制(労基法32条の2)では、週平均40時間(法定労働時間)の範囲内で、各日・各週の所定労働時間を定められます。法定労働時間は、商業や接客娯楽業等で常時10人未満の労働者を使用する「特例措置対象事業場」は、44時間とできます。具体的には、変形期間の所定労働時間の合計を、法定労働時間×変形期間の暦日数÷7の範囲内とします。各日・各週の所定労働時間には上限はありません。勤務実態から毎月勤務割を作る必要がある場合は、就業規則で各直勤務の始業終業時刻や各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続きと周知方法等を定めておけば、変形期間の開始前までに具体的に特定することで足りるとしています(昭63・3・14基発150号)。

 1年変形制(法32条の4)でも、最終的には各日等の所定労働時間を特定しますが、…

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2024.09.06 【労働基準法】

労使協定を自動更新可能か 賃金全額払いの例外 労基署へ届出義務ないが

キーワード:
  • 労使協定
  • 労務一般関係
Q

 当社の賃金控除協定をみたところ、自動更新の規定が設けられていました。この労使協定は労働基準監督署への届出は必要ないものの、そもそも自動更新して良いものなのかも含め、どのように考えるべきなのでしょうか。【北海道・T社】

A

事情変更時は見直しも

 賃金は全額支払うべきものですが、法令に別段の定めがある場合のほか、過半数労働組合(ないときは過半数代表者)との労使協定に基づき一部控除して支払うことが可能です(労基法24条)。過半数労働組合がないときには、過半数代表者の選出手続き(労基則6条の2)を遵守する必要があります。

 労使協定には、有効期間の定めが必要なものもあれば、不要なものもあります。必要なものの代表例は時間外・休日労働(36)協定でしょう。賃金控除協定は不要です。また、労基署への届出要否も、…

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2024.07.26 【パート・有期雇用労働法】

パートらの意見聴取必要か 育介規程を見直し 正社員のみ労組加入

キーワード:
  • パート
  • 介護休業
  • 労使協定
  • 就業規則
  • 育児休業
Q

 育介法が改正され、育児介護休業規程や労使協定を見直す必要があります。当社では、正社員全員参加の労働組合が存在するので、労組の意見聴取のみで対応しています。育児や介護が関係するのは正社員に限りませんが、これで良いのでしょうか。【京都・T社】

A

義務ないが確認望ましい

 令和7年4月以降、育介法等の改正があるため、就業規則等の変更を検討する必要があります。育児介護休業規程も就業規則の一部ですから、労基法に基づき変更が必要になります。

 労基法上は過半数労働組合がある場合は労働組合、ない場合には過半数代表者の意見を聴けば足りるとしています。ただし、パートらに適用がある就業規則を作成変更する際に、パートらの過半数を代表する者から意見を聴くよう努力義務が課されています(パート・有期雇用労働法7条)。意見聴取の当事者は、「短時間労働者(有期雇用労働者に関する事項については有期雇用労働者)の過半数を代表すると認められる者です。過半数代表者は、…

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