『ハラスメント』の労働実務相談Q&A

2024.10.28 【労災保険法】

カスハラで労災認定? 判断基準の当てはめは

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  • ハラスメント
Q

 カスタマーハラスメントの対策について、条例や法制化の動きを見聞きします。現在の労災認定基準ではどのように判断されるのでしょうか。基準があれば教えてください。【滋賀・R社】

A

対応怠ると負荷「強」に

 令和5年9月から、精神障害の労災認定基準にいわゆるカスタマーハラスメントが追加されています。顧客や取引先、施設利用者等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、著しく不当な要求等の著しい迷惑行為が対象となっています(令5・9・1基発0901第1号)。労災認定においては、発病前おおむね6カ月間に、業務による強い心理的負荷が認められるかどうか等を判断します(令5・9・1基発0901第2号)。

 認定基準の具体的出来事には、顧客等から「対応が困難な要求等を受けた場合」か、…

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2024.04.05 【労働者派遣法】

派遣先台帳にどこまで記載 苦情内容や処理状況 業務指示めぐりトラブル

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  • ハラスメント
Q

 当社で受け入れている派遣労働者から、業務を指示している当社従業員の指示内容や処理方法が、分かりにくい、威圧的といった苦情を受けました。派遣先台帳に苦情の内容や処理状況を記載する必要がありますが、どこまで具体的に記載すべきなのでしょうか。例などがあれば教えてください。【滋賀・K社】

A

ハラスメントには限らず

 派遣法40条では、派遣先は、派遣労働者から派遣就業に関して、苦情の申出を受けたときは、苦情の内容を派遣元事業主に通知するとともに、苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければならないとしています。

 派遣労働者ごとに派遣先台帳を記載する必要があり(法42条)、記載事項の中に「派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項」があります(同条1項8号)。具体的には、①苦情の申出を受けた年月日、②苦情の内容および③苦情の処理状況について、苦情の申出を受けたり、苦情の処理に当たった都度記載する必要があります。また、その内容は派遣元事業主に通知する必要があります(派遣先指針、平11・11・17労働省告示138号、令2・10・9厚生労働省告示346号)。

 「苦情内容、処理状況」の記載についてですが、…

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2023.12.11 【労働施策総合推進法(旧雇用対策法)】

自宅待機は問題あるか パワハラ相談の被害者

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  • ハラスメント
  • パワハラ
Q

 パワーハラスメントに関する相談があり、行為者と相談者をしばらく自宅待機としました。事実関係はこれから確認しますが、相談者は有期雇用契約で、期間満了まで待機を命じることは問題ないでしょうか。【三重・K社】

A

「切り離し」に留意必要

 パワーハラスメントを防止するため、事業主は、労働者からの相談に応じ、必要な体制を整備等しなければなりません(労推法30条の2)。相談したことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています(同条2項)。「不利益な取扱い」となる行為の例は、いわゆる性差別指針と同様と解されています(令2・2・10雇均発0210第1号)。指針では、不利益な自宅待機を命じることは該当するとしています。…

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2023.12.01 【雇用機会均等法】

社外窓口利用を制限できる!? ハラスメント対応で 相談少なく体制見直し

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  • ハラスメント
Q

 ハラスメントの相談窓口はありますが、相談件数が少ないことなどから窓口が機能しているのか心配です。社内の窓口を経由せずに社外へ相談しているのかもしれません。たとえば、労働局に紛争調停を申請する前に、必ず社内の苦情処理機関に報告するというルールを定めるのは可能でしょうか。【静岡・S社】

A

まず自主的解決の努力

 セクシュアルハラスメント、妊娠出産等に関するハラスメント、パワーハラスメント等のいずれも、相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備が事業主に求められています。

 パワハラに関しては、労働局の紛争調整委員会による調停の対象に格上げされたのが、令和4年4月(大企業は令和2年6月)でした。

 職場におけるパワハラ対応では、…

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2023.11.20 【労働者派遣法】

派遣社員の相談対応は ハラスメント防ぎたい

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  • ハラスメント
  • 派遣
Q

 派遣労働者を以前受け入れた際に、ハラスメント被害を受けたという事案が発生したため、再発防止を徹底したいと考えています。あらかじめ自社の相談窓口を伝えておくことのほかに、何か注意点はあるでしょうか。【滋賀・H社】

A

「先」台帳に記載が必要

 派遣先における苦情処理対応は、派遣元との連携がポイントです。派遣法40条1項で、苦情の内容を派遣元事業主に通知するとともに、派遣元事業主との密接な連携の下に、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければならないとしています。

 苦情には、セクハラ、妊娠出産等に関するハラスメント、…

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