『割増賃金』の労働実務相談Q&A

2025.03.28 【労働基準法】

平均賃金の計算期間にズレ? 残業代は翌月払い 過去3カ月をどう計算

キーワード:
  • 割増賃金
  • 解雇予告
  • 賃金関係
Q

 勤務不良で、注意・指導を繰り返しても改善しない従業員を解雇します。解雇予告手当を払うために平均賃金を計算しますが、当社の賃金制度では、割増賃金部分は1カ月遅れで清算しています。単純に過去3カ月の賃金支払額を合計すると、基準内賃金と割増賃金部分では、賃金計算の対象期間に1カ月のズレが生じます。対象部分をそろえる形で、修正を実施すべきでしょうか。【香川・W社】

A

直近締切日から一律遡る

 平均賃金は、原則として「算定事由の発生した日以前3カ月間に支払われた賃金総額を、その期間の総日数で除して」計算します(労基法12条)。ただし、賃金締切日があるときは、その直前の締切日から3カ月が算定対象期間となります。

 たとえば、3月の賃金締切日の後に解雇を予告したとします。貴社の賃金制度の場合、基準内賃金部分については、1~3月の3カ月を集計します。しかし、…

回答の続きはこちら
2024.10.11 【最低賃金法】

賃金支払日に最賃判断? 10月またぐ計算期間 月給制で時間単価算出

キーワード:
  • 割増賃金
  • 賃金
Q

 当社の正社員の賃金は、20日締めの当月末日払いです。10月に支払う賃金は、前月9月21日から翌10月20日までの賃金ということになります。10月に最低賃金が引き上げられましたが、その計算に関して、支払日ベースでみて、10月に支払う分は新しい最低賃金を反映したものとする必要があるのでしょうか。【京都・O社】

A

発効日から見直しが必要

 京都府の最低賃金は、令和6年10月1日から、時間額1058円へと引き上げられました(50円の引上げ)。

 月給制の例で最低賃金を上回っているかどうかを考えてみます。月給を時給に換算する方法は、月給を年間における月平均所定労働時間で除して割り出します(最賃則2条1項3号)。割増賃金の時間単価をイメージすれば分かりやすいでしょう。ものの本でも、1時間当たりの金額の計算方法は、労基法37条の割増賃金における換算方法(労基則19条)と同じ考え方であると述べたものがあります。

 計算の分子となる月給額からは、割増賃金等を除いて計算します(最賃法4条3項)。最賃則1条で、…

回答の続きはこちら
2024.07.29 【労働基準法】

除外できる手当は何か? 割増賃金計算の算定基礎

キーワード:
  • 割増賃金
  • 手当
  • 賃金関係
Q

 賃金制度の見直しをすることになり、割増賃金の計算に含めるもの・含めないものを改めて理解しておきたいと思います。基準などを教えてください。また、別居手当や子女教育手当について、どのような性質のものが該当するかなどを示した資料はあるでしょうか。【鹿児島・S社】

A

別居手当などを制限列挙 実質によって判断される

 割増賃金の計算の基礎となるのは、「通常の労働時間または労働日の賃金」です。割増賃金を支払うべき労働(時間外・休日・深夜の労働)が深夜でない所定労働時間中に行われた場合に支払われる賃金を指すとしています(労基法コンメンタール)。

 ここから除外できる賃金を、労基法37条5項と労基則21条で挙げています。…

回答の続きはこちら
2024.07.12 【労働基準法】

月の総枠内でも割増賃金必要か フレックス制を採用 週休2日の法定外休日

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 割増賃金
  • 賃金関係
Q

 当社の事務職はフレックスタイム制を採用し、週休2日制です。土曜日に出勤する場合は、月の総労働時間(契約時間)に含めてカウントし、契約時間を超えた時間に時間外の割増賃金を支払っています。所定休日労働の対価として、割増賃金を支払う必要があるのでしょうか。【京都・E社】

A

総労働時間に算入可能

 フレックスタイム制は、1カ月以内の一定期間の総労働時間(契約時間)を定めておき、労働者がその範囲内で各日の始業・終業の時刻を選択して働くことができる制度です。

 フレックス制の適用者にも労基法35条(休日)の適用があり、…

回答の続きはこちら
2024.02.27 【労働基準法】

“代休”取得で割増賃金は 休日労働として支払うか

キーワード:
  • 代休
  • 割増賃金
  • 賃金関係
Q

 先日、休日に労働させることが必要になり、従業員と相談して別の日を休日としました。ところが労働者から、“代休”を取ったのに休日労働としての割増賃金が支払われていないと言われました。改めて、代休と割増賃金の考え方を教えてください。【福岡・O社】

A

休日の振替なら労働日に 時間外へ注意が必要

 広い意味で“代休”とは、当初休日の日に出勤し別の労働日に休日を取得することを指しますが、労基法上は、休日の振替と代休という2つの異なる概念があります。

 まず、休日の振替についてです。これは、あらかじめ休日と定められている日を労働日とし、代わりに他の労働日を休日とするものです(昭23・4・19基収1397号)。休日と労働日の交換で、当初休日だった日は労働日となります。このため、同日に労働させた場合、もともと労基法35条の法定休日だったとしても、休日労働に対する割増賃金は発生しません。ただし、通常の労働日の労働として、…

回答の続きはこちら
もっと見る もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。