『労災認定』の労働実務相談Q&A

2023.03.24 【労災保険法】

再雇用で条件低下し「いじめ」? 定年後に職務内容変更 労災認定基準を当てはめ

キーワード:
  • パワハラ
  • 再雇用
  • 労災認定
  • 定年
Q

 定年後再雇用する従業員は、従事する職務が変わるなど労働条件が低下することが少なくありません。仮に、本人がそれを理由に精神疾患になったと主張したとき、労災認定では、いじめや嫌がらせとみなされるのでしょうか。【大阪・E社】

A

会社からの差別か判断

 心理的負荷による精神障害の認定基準(令2・8・21基発0821第4号)では、(ひどい)嫌がらせ、いじめは、パワーハラスメントに該当しない優越性のない同僚間の暴行や嫌がらせ、いじめ等を評価する項目として位置付けられています。一方のパワハラは、優越的な関係を背景とする上司等による一方的な被害(令2・5・29基発0529第1号)ですが、いずれも認定基準における平均的な負荷の強度は「強」です。…

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2023.01.16 【労災保険法】

本人不注意で労災は? サンダル履きで転倒

キーワード:
  • 労災保険給付
  • 労災認定
Q

 雨の日に会社の階段で滑って転んでケガをした従業員がいます。労災保険給付の請求ですが、本人は靴ではなくサンダルを履いていて滑りやすかったといえます。本人の不注意があると、労災認定は難しいのでしょうか。【石川・B社】

A

療養補償等影響しない

 労災保険給付が支給されるかは業務と相当因果関係のある傷病等といえるかどうかになります。この判断において使用者の過失の有無は問いませんから、階段に手すりや滑り止めを設けていたというときでも、労災請求が認められないわけではありません。

 本人が故意の犯罪行為または重大な過失によりケガをしたときは、…

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2021.11.15 【衛生管理】

ドライバーの健康管理は 長時間労働が心配で

キーワード:
  • 労災認定
  • 勤務間インターバル
Q

 機械部品の製造販売業です。おかげさまで、コロナの落ち着いてきた最近、稼働も上がってきてありがたいのですが、工場からの出荷製品の搬送を自社で行っており、ドライバーの人繰りに苦労しています。なかなか人が採用できず、従業員は高齢者主体ですが、お客様からの要望から、夜間にトラックを出すことも多くなってきました。労働時間の管理はしっかりやっていますが、留意点はあるでしょうか。【福岡・N社】

A

勤務間インターバルに留意 11時間取れているか確認

 商売が順調なのは何よりですが、従業員の健康が守れないと大変なことになる可能性があります。事故も心配です。

 労働時間管理については特に意識してやっておられるようですが、時間管理だけでは業務の過重性を十分評価できていない可能性があります。

 先般、業務による過重負荷を原因とする脳血管疾患および虚血性心疾患等の労災認定基準が、20年ぶりに改訂されました(令3・9・14基発0914第1号)。もともと過重労働であるかどうかは、労働時間以外の要素も考慮して総合評価すべきとされていたのですが、…

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2021.11.10 【労災保険法】

過労死認定の改正教えて 脳・心臓疾患発症したら

キーワード:
  • 労災認定
Q

 脳・心臓疾患の労災認定基準が改正された模様ですが、主な改正点について教えてください。【長野・F社】

A

時間以外も考慮明確に ハラスメントを評価

 脳・心臓疾患の労災認定基準については、令和3年9月14日付けで認定基準が改正されました(「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(基発0914第1号)。

 新たな認定基準では、時間外労働時間数がいわゆる「過労死ライン」に達していなくても、不規則勤務や身体的負荷などの労働時間以外の負荷を柔軟に判断することとされています。

1 20年ぶりの改正に向けた専門検討会報告書と認定基準改正

 脳・心臓疾患の労災認定基準については、改正から約20年が経過する中で、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから…

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2021.06.28 【労災保険法】

病気の労災認定難しいか 業務起因性などどう判断

キーワード:
  • 労災認定
  • 業務上災害
  • 業務上疾病
Q

 業務上災害の業務上外認定において、「業務遂行性」と「業務起因性」が認められることが要件になることは承知しておりますが、業務上疾病の場合の「業務遂行性」と「業務起因性」はどのように考えたらいいのでしょうか。【富山・T社】

A

職場で有害物ばく露なら 基礎疾患悪化した場合も

 業務上災害の場合と同様に、業務上疾病においても「業務遂行性」と「業務起因性」が認められることが必要です。

 当該疾病と業務との関連について、ばく露期間、発症の条件等を厚生労働省労働基準局長が行政通達の形で示したものが「認定基準」と呼ばれるものです。認定基準を満たしている疾病については、原則として業務上疾病として取り扱われますが、労基法別表第1の2に定められた疾病すべてに認定基準が示されているわけではありません。

 認定基準が示されていない疾病については、個々の事案について業務起因性の判断が行われることになります。

 「業務遂行性」と「業務起因性」の考え方は以下のとおりです。

1 業務上疾病における「業務遂行性」

 「業務遂行性」とは、「労働者が労働契約に基づいて…

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