『定年』の労働実務相談Q&A

2024.07.22 【労働契約法】

定年後に無期転換? 65歳超で権利発生明示

キーワード:
  • 定年
  • 無期転換
Q

 当社は60歳定年制で、一部の従業員は65歳を超えて継続雇用しています。契約更新時に無期転換権について明示したところ、権利行使に関して前向きな態度を示す従業員もいました。定年後に権利を行使したケースはこれまでありませんが、行使されれば認めるほかないでしょうか。【埼玉・W社】

A

第二種計画認定申請を

 有期雇用契約を反復更新して5年を超えると期間の定めのない契約に転換できる権利が発生します(労契法18条)。ただし、例外として定年後引き続いて雇用される期間は、通算5年に含まない仕組みがあります(有期特措法8条)。自動的に例外が適用されるわけではなく、第二種計画の認定が必要です。

 令和6年4月から、契約期間内に無期転換権を申込みできるときには、…

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2024.05.24 【高年齢者雇用安定法】

アルバイトにも継続雇用制度? 60歳を「更新上限」 正社員は雇用確保措置

キーワード:
  • アルバイト
  • パート
  • 定年
  • 有期労働契約
  • 継続雇用制度
Q

 当社で有期雇用契約を反復更新しているパート、アルバイトが60歳に達します。期間の定めのない正社員は60歳定年で、その後継続雇用しています。有期雇用している従業員は60歳を更新の限度としていますが、継続雇用制度の対象としなくても問題ないでしょうか。【北海道・H社】

A

反復更新には留意必要

 定年制を設ける場合には就業規則の規定のほか、労働条件としても書面等で明示が必要です。

 定年とは、所定の年齢に達したことを理由として自動的にまたは解雇の意思表示によってその地位を失わせる制度(令3・3・26職発0326第10号)と解したものがあります。定年は60歳を下回ることができず(高年法8条)、65歳未満の定年を定めた事業主は、65歳までの雇用確保措置を講じる義務を負います。

 65歳までの雇用確保措置に関する高年法9条は、…

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2023.11.29 【厚生年金保険法】

繰り上げてから再就職? どのような不利益及ぶか

キーワード:
  • 定年
  • 老齢厚生年金
  • 老齢基礎年金
Q

 定年退職後は再雇用を希望せず退職する予定の従業員がいます。年金を繰り上げる予定といいますが、もしも働く気になったら求人に応募するかもしれないと話していました。働く気があるなら繰り上げるべきではなさそうとは思いつつ、繰り上げてから働くときどのような不利益が及ぶのでしょうか。【京都・T社】

A

65歳前は一部繰上げに 在職老齢年金の適用あり

 繰上げ請求した後に再就職して厚生年金の被保険者となった場合等も、賃金等に応じて年金の全部または一部が支給停止されます。 支給停止された年金は退職後も支給されません。

 年金を繰り上げると減額が生涯及びます。繰上げについては、…

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2023.10.16 【労災保険法】

定年後も継続可能? 労災保険給付への影響

キーワード:
  • 定年
Q

 業務上ケガをして休職している従業員がまもなく定年年齢に達します。退職後も保険給付を継続して受給できるはずですが、定年を機に退職するときでも、引き続き保険給付の対象なのでしょうか。【富山・R社】

A

退職理由で変更されず

 労災保険給付の受給権は、労働者の退職で変更されることはないと規定しています(労災法12条の5)。

 病院等に行ったときの療養補償給付が退職後に支給されないとなると、業務上の事由により負傷し療養しているのにもかかわらず、その治療を受けられないという不合理なことになります(東京労働局)。…

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2023.10.11 【労働基準法】

解雇制限は受けるのか? 休業期間中に定年迎える

キーワード:
  • 休業
  • 労働契約関係
  • 定年
Q

 65歳の定年が間近な正社員がいますが、仕事中負傷し休業中です。大事には至らなかったものの、このまま退職予定日を迎えた場合、労基法上、労働契約終了に制限はありますか。再雇用の相談も途中で、会社が認めた際の嘱託への変更はどうでしょうか。【広島・D社】

A

事由異なるため影響せず 就業規則や慣行など考慮も

 労基法19条の解雇制限が課されるのは、業務上負傷したり疾病にかかったりして療養のために休業する期間とその後30日間および法65条の産前産後休業を取得する期間とその後30日間です。

 前者は、業務上の傷病による休業なので、…

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