『年休』の労働実務相談Q&A

2024.12.06 【労働基準法】

計画的付与は1日単位のみか 個人別方式を採用 勤務割柔軟に決めたい

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年休
  • 年休の計画的付与
Q

 繁忙期等に各人の負担が偏らないように、休みをうまく割り振ることができないか考えています。年休の計画的付与について個人別で付与する仕組みがありますが、1日単位のほか半日や時間単位を組み合わせることもできるのでしょうか。【福島・O社】

A

時間単位認められない

 年次有給休暇は、労働者が自ら取得する時季を決めて請求するのが原則ですが、労使協定であらかじめ取得の計画を決めて付与することができます(労基法39条6項)。年5日を超える部分が対象となり、前年度繰越分の年休も含めて付与することが可能です(昭63・3・14基発150号)。

 年休について定めた労基法39条では、10労働日という文言を使用し労働日単位を表しています。労働者が半日単位で請求しても、使用者は応じる義務はありません(前掲通達)。ただし、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、…

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2024.09.17 【労働基準法】

複数回取得へ制限? 午前午後に時間単位年休

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年休
Q

 当社では時間単位年休を導入しています。始業直後と終業直前にそれぞれ1時間取得したり、午前・午後に各1時間ずつ中抜けをしたりするなど、1日の間で複数回取る労働者がいます。労働者の年休の請求を待たず、あらかじめ取得を1日1回までとすることはできるでしょうか。【熊本・M社】

A

時季変更権の観点から不可

 時間単位年休は、労使協定を締結することで導入できます(労基法39条4項)。取得できる日数は、前年度からの繰越し分を含めて、年5日が上限です。取得は時間単位とする必要があり、分単位など時間未満の単位は認められていません。

 取得に制限を設けることについては、…

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2024.08.27 【労働基準法】

買上げに応じてもよいか 年休時効消滅分を埋合せ

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年休
  • 年次有給休暇
Q

 労働者から、繁忙につき消滅時効にかかる年次有給休暇について埋め合わせが欲しいとありました。買上げなどに応じてもよいのでしょうか。【岩手・E社】

A

好ましくない措置の扱い 退職など事由があるなら

 年次有給休暇の法的効果は、所定労働日における労働義務の消滅とされています。また、労基法39条5項は、年休を労働者の請求する時季に「与えなければならない」という規定です。このため、現実に所定労働日に休業せず、代わりに金銭を支給する場合は、年休を与えたことにはなりません(労基法コンメンタール)。解釈例規(昭30・11・30基収4718号)でも、年休の買上げを予約して請求可能な年休の日数を減少させたり与えなかったりすることは労基法39条に違反するとしています。都道府県労働局の資料には、「在職中に従業員から消滅となる年休の買い取りを求められても、労働基準法ではそれを認めてはいません」と強い書き方をしているものもあります(東京労働局「素朴な疑問Q&A」)。

 一方、前掲コンメンタールは、…

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2022.04.22 【労働基準法】

年休管理簿の保存は? 「重要な書類」か不明 紙から電子媒体へシフト

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 年休
Q

 当社では記録の保存方法を、紙媒体から電子媒体へ順次シフトしています。記録が必要な書類、保存期間を確認しているのですが、条文の「重要な書類」の定義がはっきりしません。たとえば「年休管理簿」はどのような扱いなのでしょうか。【愛知・R社】

A

省令に基づき当分3年

 使用者に記録の保存を義務付けているのは、労基法109条です。紙媒体から電子媒体への移行ですが、「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」の別表第1で、電磁的記録による保存の対象に労基法109条が含まれています。ここでいう民間事業者等は、「法令の規定により書面又は電磁的記録の保存等をしなければならないものとされている民間事業者その他の者」となっています。…

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2022.02.07 【労災保険法】

特別支給金のみ出るか 年休を消化した日

キーワード:
  • 休業補償
  • 年休
  • 特別支給金
Q

 業務上災害や通勤災害により休むときに年次有給休暇を消化することがあります。休業したときの特別支給金ですが、保険給付ではないという認識です。年休と調整はされないのでしょうか。【北海道・R社】

A

平均賃金の6割以上で不支給に

 休業特別支給金は、労働者が、業務上の事由または通勤による傷病に係る療養のため、労働することができないために賃金を受けない日の4日目から支給されます(特別支給金規則3条1項)。給付基礎日額の2割相当額が支給されます。

 休業最初の3日間は労基法の休業補償が必要になりますが、…

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